男性がよく利用しているのを見るのは、ファンジャケットである。これは、私がよく通りかかる大規模な建設現場で働く人がほぼ男性であるためその印象を受けるのだろうが、そこで働く多くの男性がファンジャケットを着込むようになった。昨年、電車の中でやけに膨らんだジャケットを着込んでいる人を発見し、内蔵のファンが稼働していると合点してニ度驚いた記憶があるが、ファンジャケットへの違和感はあれからほとんどなくなるくらいに薄れてきているのが、個人的感想である。

 外出時や行楽地で役に立つのがネッククーラーである。首に巻く形の冷感グッズであり、電動・濡らす・保冷剤を入れる・凍らせるなど様々なタイプがある。自宅で利用している人も多いであろうし、スポーツの練習時に着用する人もいる。

 水筒も賢くなってきて、水分補給のタイミングを知らせてくれるアプリ連動型のスマートボトルも登場した。余談だが「スマートボトル」の語はかなり広義で用いられていて、「スマートボトル」という名の製品のほか、スピーカーやランタン機能を有するアウトドア向けのものや、空気中の水分を集めて飲料水を生み出す魔法のようなものまである。

 主に女性向けアイテムとされていた日傘だったが、「男性も使ってよろしかろう」ということで、男性の日傘利用への社会の認知と理解が深まってきている。

 なお、このトピックにはタブーに相当するワードがあるようで、たとえばGoogleで「メンズ日傘」などと検索する分には問題ないのだが、「日傘男子」と入れると「男 日傘 気持ち悪い」「日傘 男性 恥ずかしい」といったネガティブなサジェストワード2つが最上位に表示される。成人した、あるいはもっと年長の男性を“男子”と称することや、さらには近年の“女子”や“男子”呼びを好む風潮に対する反発から、「日傘男子」が好まれない……という一面もあるかもしれない。

これはもはやレーザーか?
強烈な日光を避けるアクティビティ

 日中の過ごし方にも変化が見られる。日中の、何か明確な意図をもたされたレーザーのごとき日光を避けるべく、夕方か夜のお出かけが再評価されているのである。

 動物園といえば「日が出ている間に行くもの」として揺るぎない存在だったが、令和は一味違う。ナイトズーやナイトサファリと称される、夜の動物園が人気を集めているらしい。そこでは夜行性の動物の生態が観察できるほか、夜ならではのライトアップがきれいだったり、バスで暗闇に分け入ってナイトスコープを使って動物を観察するツアーの冒険感満載だったりで、暑さを避ける以上の楽しみが提供されている。