なお筆者がよく行くファミリー向け屋内プールでは、ほぼ全ての保護者がラッシュガードを着用している(上半身裸のお父さんはわりといる)から、海や屋内プールという垣根を超えてラッシュガードの出現はもともと肌を見せたがる感覚が薄い日本人にとって渡りに船だったのだな……という普及の背景を推測させる。海に行く場合は特に、着用すれば日焼け対策も同時に行えるので一層重宝がられているのであろう。

虫もバテる酷暑
自然界に見え始めた異常

 暑すぎるために虫の活動も低調になっているようで、全国的に「蚊が例年より少ない」と感じる人が増えている。なんでも気温が35度を超えると蚊の活動は低下するらしく、そのまま大人しくなってほしいと思うが、暑さが落ち着く秋から活発になる可能性があるので注意すべし、とのことである。

 専門家によればこの猛暑は、たとえば「今年だけ」といったスポット的な例外としてではなく、今後も続くことが懸念されている。地球温暖化に伴う海面水温の上昇は日本近海で特に顕著で、それが日本列島にこの酷暑をもたらしているらしい。

【参考】Science Portal 「海洋熱波」が「最も暑い夏」をもたらしたと気象庁など分析 今夏も危険な高温続くと予測 
https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/clip/20240726_g01/

 気温が上昇するにつれて毎年少しずつ変わっていく夏の風景に、私たちも少しずつ慣れていくのだろうと思われる。これまでの風物詩が失われるのは物寂しいが、新しい風物詩が誕生していく様子を見守っていきたい。