税務調査が行われる
「4つのきっかけ」

 税務調査のきっかけには、以下の4つが挙げられる。

 まず1つ目は、「極端に経費が増えた」ケースである。経費が以前と比較すると大幅に増えている場合、その理由を探るために税務署が調査に踏み切ることがある。特に交際費や外注費などは疑われやすいため注意が必要だ。

 2つ目は「売り上げの増減が目立つ」ケースだ。事業を営んでいると、売り上げの増減はやむを得ないものだが、極端なケースは申告時に不正な処理をしたのではないか、税金を逃れるために利益を下げているのではないか、と疑われやすいのだ。

 また、競合他社は堅調に売り上げが伸びているにもかかわらず、1社が極端に売り上げの増減がある場合も、疑問を抱かれやすいため注意が必要だ。黒字と思わしき法人が赤字となっている際にも、税務調査の対象となりやすい。

 3つ目は、「支払調書と一致しない」ケースだ。税務署に提出される支払調書は調査官が丁寧に内容の確認をしているため、ごまかしがきかない。特に注意が必要なのは、暗号資産の取引だ。20年以降は、暗号資産取引に関しても支払調書の対象となっており、漏れがあれば厳しく追究されると覚えておこう。