なお、インスタグラムによる税のトラブルはこれだけではない。23年3月8日の読売新聞によると、インスタグラマーとして華美なPRを行い、多額の報酬を得ていたインフルエンサー9人が、東京国税局から税務調査を受け、合計で3億円の申告漏れを指摘されている。追徴課税は合計で8500万円との報道もあり、企業案件による高収入を正しく申告しなかったどころか、海外のペーパーカンパニーに収入を迂回させていたとある。
SNSはただの日常生活公開ツールではない。「羨ましい」という感情を投稿で刺激することで、企業案件の獲得や、自社製品などのPRに活用できる半面、脱税などの行為に加担する危険性もはらんでいる。近年は詐欺行為に加担するケースもあるため、気軽に高収入が狙える分、税務調査や詐欺事件に注意する必要もあるのだ。
なお、一般的な税務調査で逮捕にまで至ることは極めてまれだが、SNSに何かを投稿する際は、そのようなリスクを十分に留意する必要性がある。
税理士として伝えたい
SNS利用の「3つの注意点」
SNSは誰でも気軽に投稿できる分、華美な投稿を続けていると「タレコミ」につながるリスクもある。では、SNSを利用する際には、どのように使うとよいだろうか。税理士の視点から、以下の三点を心がけることをおすすめする。
まず1つ目は「恨みやねたみにつながる投稿はしない」ことだ。国税庁や税務署へのタレコミは、個人的に悪感情を持つ人からの可能性がある。高級な買い物や裕福な暮らしを投稿していると、身近な人から恨みやねたみをかってしまうおそれがある。もしも近しい人にだけ見せたいなら、できる限りクローズドな環境での投稿を推奨する。