米国ノースカロライナ大学のスティーブン・ローゲルバーグは、営利、非営利を含むさまざまな組織での職務満足度を調べているのですが、上司との関係が良好とか、同僚がやさしいとか、かわいい後輩がいるといったことで、満足度が決まることを明らかにしています。

 結局、人間関係さえうまくいっていれば、私たちは仕事も満足できるのです。

気持ちの良い仲間がいれば
退屈な仕事も楽しくなる

 気持ちのよい人たちに囲まれて仕事ができるのなら、たとえどんなに退屈な仕事でも、面白くできるものなのです。あるポテトチップス工場で働く女性作業員は、流れ作業の製造ラインで働いているのですが、毎日、楽しみながら仕事をしているそうです。流れ作業ですから、お世辞にも面白い仕事ではなさそうに思えますが、どうして楽しいのかおわかりになりますか。

 実は、この工場で働く女性作業員たちは、有名人の顔に似たチップスを見つけることに楽しみを見出していて、「ねえねえ、これって、○○に似てない?」とワイワイおしゃべりしながら仕事をしているのです。だから退屈な仕事も楽しめるのです。

 このエピソードは、カナダにあるカルガリー大学ビジネススクールのピアーズ・スティールが、その著書『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』の中で紹介しているものですが、心理学的にもまさにそうだろうと思えるものです。

 会社のブランドイメージがよいとか、知名度があるとか、そういうことで勤め先を選ぶと、あとでものすごく後悔することになりますし、人間関係での相性というか、肌が合わなかったりすると、どうせすぐに辞めることになります。勤め先を選ぶときには、とにかく最初から人間関係を最重要ポイントとして、自分とうまくやっていけそうな人たちばかりなのかを確認しておくことが大切でしょう。