「子どもが発達障害かも……」と感じたらすぐに相談!
ひとりで悩まず、頼ることも大事

 たとえば「おしゃべりが苦手」「収集癖がある」「落ち着きがない」といったいくつかの傾向は、程度の違いこそあれ、定型発達の子どもにも普通に見られるものです。

 ただ、そうした言動が見られることで子育てに不安を感じていたり、言動の程度が強く(頻度が多く)子ども自身が生きづらさを感じていたりするようなら、今すぐに専門の支援機関や医師に相談することをおすすめします。専門家のサポートやアドバイスを受けることで子どもが持つ特性を知り、それを踏まえた適切な接し方や生活環境を知ることができます。また、発達障害の子を持つ親ならではの悩みや、将来的な就学・就労といったプライベートな相談にも乗ってもらうことが可能です。

 お子さんの発達障害は、これから一生付き合っていくことになる個性のひとつです。家族の問題だと隠すのではなく、専門家や周囲の人々の力を借りながら、オープンに支えていくことが子どもの可能性を広げることにもつながります。

発達障害でも社会性を身につければ生きづらさを克服できる!
簡単なことからステップアップ

 お子さんが発達障害の特性を持っているからといって、日々の生活のあらゆることを手取り足取りサポートしてあげるのは、必ずしもよいことだとはいえません。自分の身の回りのことやちょっとした家事のお手伝いなどの役割を与え、成功体験を積み重ねることで、子どもは自信をつけ、それがひいては社会性の獲得や自立を促すことにもつながっていくのです。たとえば、朝起きたらカーテンを開ける、食事の時間にお箸を並べるなど、最初のうちは簡単なお手伝いで構いません。慣れるまでは一緒にやったり、絵に描いて見せたりして、根気よく教えてあげましょう。その繰り返しでできることが増え、徐々に自分の身の回りのことも自発的にできるようになっていくはずです。

「ウチの子、もしかして発達障害?」親がカン違いしやすい4つの行動とは『心と行動がよくわかる 図解 発達障害の話』 湯汲英史監修 日本文芸社刊 990円(税込)

 家の中でできることが増えてきたら、今度は外でのお手伝いにもチャレンジしてみましょう。住み慣れた家と違って外の世界には刺激が多く、想定外のイレギュラーも起こりがちです。しかし、そうした未知の経験が子どもの成長を促し、社会性を育むよい機会にもなるのです。まずは簡単なことから徐々にステップアップしていき、自立する力を養っていきましょう。

 余暇を充実させるという意味では、習い事に挑戦してみるのもおすすめです。球技などのチーム競技よりも、自分のペースで取り組むことができる音楽や絵画、水泳などが向いていると言われています。