「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、”親が元気なうちに”取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。

「片づいていない家」に潜む、死に直結しかねない2つのリスクとは?Photo: Adobe Stock

片づいていない家は、「骨折・転倒のリスク」「災害時のリスク」も高い

前回の記事で、片づいていない家は高齢者にとって骨折・転倒のリスクが高く、それによって寝たきりになる可能性もあることをお伝えしました。

もうひとつのリスクは、災害が起きたときです。

背の高い家具に囲まれていると、地震が起きたときに家具の下敷きになりかねません。また、火事が起きたときもすぐに避難ができないので大変危険です。

さらに、2階が物置状態になっていて重い家具がたくさん置かれていると、床が抜けて大事故につながることもあります。

実家に大きな家具がたくさん置かれている、物置部屋状態の部屋がたくさんある、という方も多いのではないでしょうか。

実感を持ってもらうには「知り合い」の話にするのがポイント

ただし、こういった「〇〇になると危ないから片づけたほうがいいよ」という話を高齢の親御さんにしても、自分だけはそうならないというバイアスがかかっていることが多いので、あまり本気で取り合ってくれないこともあるかと思います。

そういうときには、いかに身近な話にできるかがポイント。

例えば、「知り合いのお母さんで、急いでいるときにコードに足を引っかけて転んだ人がいてね、すごく元気な人だったのに寝たきりになってしまって……」というふうに、身近な人の話として伝えてあげるとよいでしょう。自分ゴトとして受けとめてもらうことが目的なので、作り話でもかまいません。

災害に関しても、危険を実感してもらうには、先ほど同様、身近な人の事例として持ち出すのが一番。「知り合いの知り合いが、震災のとき、大きな棚を撤去した直後だったから下敷きにならずにすんだ」など。

ご年配の方は、一般論やデータで説得するよりも、「身近な例」を出して伝えて、肌で危機感を感じてもらうのが最も有効だと思います。

*本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。