旧宮家を継承権者として否定すれば
皇位継承権者がいなくなるおそれ
現在の政府や自民党主流の考え方は(5)であるが、女系よりは旧宮家優先であるべきだとしている。石破茂氏が女系に理解を示したと報道されているが、悠仁さまへの継承は当然とし、男系維持が好ましいに決まっているといっているので、(4)か(5)であろう。
女系派急先鋒である立憲民主党の野田佳彦元首相も、悠仁さまの継承を否定することにまで踏み込んだことはなく、せいぜい(3)ないし(4)のようだが、あまり論理的には思えず、さまざまな可能性をよく考えておられるのか不明だ。
しかし、愛子さま、佳子さまやその子孫たちが皇位継承できるように制度改正しても、悠仁さまも含めた3人の子孫が誰もいなくなる可能性は、これから数世代だけでも何割か存在する。
そのときには、女系容認の論理でも、明治・大正・昭和天皇の女系子孫に着目せざるを得ないのだが、それは、主として旧宮家の人々である。旧宮家否定論の人たちは「いったん民間人になったらその本人も子孫も皇族に戻すのは門地(家柄)による差別だから憲法違反」などと言うが、そうなると何割かの確率で皇位継承権者はいなくなる可能性がある。
つまり、旧宮家を継承権者として否定することは、事実上、天皇制はその時々の皇族の子孫(ただし、民間人となった者およびその子孫は除く)が存在する限りにおいてのみ、存続が認められるという憲法解釈となる。
だが、これは常識に著しく反する。少し疎遠であっても皇統に属する誰かを見つけてくるのが、君主制に関する世界の常識だ。