巨額の社債償還に直面していた楽天グループは、必死の資金繰りで当面の危機を回避した。楽天銀行や楽天証券など保有株式の切り売りで「グループ解体」は進むと見られたが、米国の金利低下の追い風で米ドル建て債の発行に成功し、8月には通信設備の「セール&リースバック」という“奇手”を繰り出して当面の運転資金を確保した。巨額赤字を垂れ流してきた楽天モバイルは好調だ。KDDIローミングの拡充で設備投資を極限まで削り、携帯電話の回線契約は740万回線を超えている。だが大量のポイント還元で積み上げた回線契約はARPU(1契約当たり月間平均収入)が伸びず、携帯電話事業の黒字化は予断を許さない。借金先送りで利払い負担は増加しており “綱渡り”が続く。特集『楽天 延命』では、一時の延命を果たした楽天が今なお直面する危機の実態に迫る。9月18日(水)スタート。(ダイヤモンド編集部 村井令二)
#1 9月18日(水)配信
楽天モバイル、禁じ手「三木谷キャンペーン」で契約激増!ノルマ必達「社員総出プロジェクト」の実態【内部資料入手】
楽天グループの巨額赤字を生み出してきた携帯電話事業「楽天モバイル」の回線契約数が急速な伸びを見せている。そのけん引役は最大1万4000ポイントの楽天ポイントを還元する“三木谷キャンペーン”だ。社内では「一致団結プロジェクト」という呼称で、グループ社員が総出で展開する営業手口の全容を内部資料と関係者の証言で明らかにする。
#2 9月19日(木)配信
【スクープ】楽天プラチナバンド基地局「驚愕の開設計画」を独占入手!現在まだ1局だけなのに「25年度に250局」を確約
楽天モバイルは、携帯電話がつながりやすい周波数帯「プラチナバンド」の運用を6月27日に開始した。当初の基地局数は東京都世田谷区に開設した1局のみで、9月に入ってようやく2局目の設置に着手したところだ。楽天は広告宣伝で「つながりやすさ」を猛アピールしているが、プラチナバンドを使えるエリアはほぼないのが実態だ。では、実際にエリア展開はどんなペースで進むのか。ダイヤモンド編集部は、楽天が総務省に提出したプラチナバンド基地局の開設計画を独占入手。メディア初公開の楽天プラチナバンド計画の全貌を明らかにする。
#3~
Coming Soon
Key Visual by Noriyo Shinoda, Kanako Onda