成績アップ率、驚異の95.7%を誇る、門外不出の勉強法をついに解禁! 小学生から社会人まで世代に限らず、「こんな勉強法があるなんて知らなかった!」という声が続々。なぜ、ストレスフリーになると、勉強で成果を出せるのか。そこには「一瞬で覚えられる」「10分の1の勉強時間で」という魔法のような方法はありません。最新の脳科学に裏付けられた、誰でも効果が出る『ストレスフリー勉強法』よりすぐに使えるノウハウを紹介する。

集中力がない人でも簡単に続けられる! 脳のパフォーマンスを最大限に考慮した勉強法「インターリーブ学習」Photo: Adobe Stock

時間と組み合わせを変えるだけで勉強効率が上がる

 細かく時間を分けて勉強することには、「忘れる」を防ぐだけでなく、脳を活性化させるメリットがあります。それを利用したのが「インターリーブ学習」です。

 2015年、マイクロソフト社がとある研究結果を発表して世間に衝撃を与えました。その内容は、「人間の集中力の持続時間は8秒しか持たない」というものです。この結果はショッキングなものと捉えられることが多いですが、私は逆に明るいニュースだと思いました。

「自分は集中力がないから勉強が続かなくて……」と悩んでいる人も、落ち込む必要がないとわかったからです。

 このセクションでは、集中力がない人でも簡単に続けられる勉強法を紹介していくので、あきらめる前にぜひチャレンジしてみてください。

 実は、同じことを長い時間学び続けるのは、学習内容を定着させるうえで非効率ということが科学的に証明されています

 私たちがやってしまいがちな、同じトピックやタスクを連続して学習する方法を「ブロック学習」と言います。

 それに対して、同時並行的に複数のジャンルを勉強するのが「インターリーブ学習」です。

 インターリーブ(interleave)とは「交互配置」という意味で、簡単に言うと「つまみ食い」の勉強法になります。このインターリーブ学習が、従来の勉強法より学んだ内容の定着率を上げるのに役立ちます。

 食べてばかりで太ってしまうのは困りものですが、知識が増えていくのであれば大歓迎です。

 たとえば、プログラミングを学習する際、「1時間ずっとコーディングに集中する」のではなく、「30分間コーディングを学習した後、次の30分間はアルゴリズムの問題を解く」といったように、異なるスキルを交互に学習するのがインターリーブ学習です。

 一見非効率に思えますが、これがブロック学習よりも効率がいいことがわかっています。

集中力がない人でも簡単に続けられる! 脳のパフォーマンスを最大限に考慮した勉強法「インターリーブ学習」長い時間同じことを学ぶより、時間単位で内容を変えるのが◎

脳科学的にも核心をついている

 アメリカの心理学者であるネイト・コーネル氏とロバート・ビョーク氏が絵画を用いて行なった面白い実験があります。

 2つの大学生のグループにいくつかの絵画とその作者を記憶させる内容ですが、1つの集団には画家ごとにまとめて絵画を見せ、もう一つの集団には絵画をランダムな順番で見せて覚えさせました。

 その後、大学生たちにそれまで見たことのない絵画を見せ、そのスタイルから作者を当てさせるという実験です。

 2つのグループの間で、「絵画の作者当てテスト」の成績に違いはあったのでしょうか?驚くべきことに、「絵画を画家ごとに記憶させた集団」より、「雑多な絵画をランダムに記憶させた集団」のほうが成績がよかったのです。

 なぜ、このような結果になったのか。別のジャンル(絵画の実験であれば別の画家の作品)を同時並行的に学習することによって新鮮味が絶えることなく、脳が活性化したまま知識をインプットできたからです。

 いろいろなものを少しずつつまみ食いしているときは、ぜいたく気分でワクワクします。

 勉強でも異なるジャンルをつまみ食いすることで、脳にいい刺激を与え、記憶の定着度も上がります

 逆に、同じことだけを続けて勉強していると、次第に退屈になり脳のパフォーマンスも下がってしまいます。「メリハリが大事」という言葉は、脳科学的にも核心をついているのです。

脳のパフォーマンスが下がっている時間をなくす

 先ほど、30分ごとに学習の内容を切り替える例を紹介しました。

 切り替えの時間は30分がおすすめですが、それでも集中できないときは、15~20分ごとに別の勉強に切り替えてみてください。逆にもう少し集中力が続く場合は、40~45分に増やしてもOKです。

 大切なのは、「脳のパフォーマンスが下がっている時間をなくす」こと。自分に合った1コマの時間を見つけていきましょう。

 また、同じ人でもその日の調子によって集中力が変わるので、日によって微調整するのもおすすめです。

 調子がいいときに集中して勉強し、そうでないときは細かく時間を分けて勉強する。そうすることで、脳へのストレスも最小限に抑えることができます。

 インターリーブ学習は、小・中・高校生だけに有効なものではありません。大学生や社会人になってからも、資格勉強や趣味のスキル向上など、インターリーブ学習は多くの場面で活用できます。

 インターリーブ学習はすべてのジャンルの勉強に有効ですが、一つだけ注意点があります。「関連性のないトピック同士では効果が出にくい」ということです。

 英語の勉強の合間に数学に取り組んでも、インターリーブ学習の大きな効果は出ません。英語ならリーディングとライティング、数学なら計算と論述といったように、相互に関連するトピックを並行して学習することを習慣にしていきましょう。

 ひと通りキリのいいところまで終わったら、科目を変えても大丈夫です。次の科目に移った際も、関連性のあるトピックの中でインターリーブ学習を行なうようにしてみてください。

(*本記事は、『科学的アプローチで勉強がとまらなくなる ストレスフリー勉強法』より一部抜粋し、再編集したものです)