過去問を解くときに注目すべき「入試の回数」
開成、麻布、女子御三家、早慶の付属校は“少数派”

■お悩み7
「過去問の最新年度版は、入試直前の1月にやるように塾から言われています。なぜですか?」

 1月に最新年度版を解かせるのは、入試前に4教科をしっかりやってみて、その時点での学力を測る、また時間配分などの最終確認をする狙いがあると思います。

 疑問に思われたら、塾側に聞いてみてください。しかし、塾のすすめに従う場合でも、解かずにやっておくべき準備はあります。入試問題を早い段階で見ておき、出題傾向や形式が変わっていないか確認することです。

 ある塾で「最新年度版を1月に解かせてみて、志望校決定の参考にする」という方針を聞いたことがありますが、私はあまりおすすめしません。模試の成績が上下するように、最新年度版であっても1度の結果だけで志望校を変えるのはリスクが高いと思います。ましてや、1月中旬以降に第一志望を変えたら、受験に後悔が残るのではないでしょうか。おそらくその塾は“入試直前に緊張感を持たせるためのトーク”としてそのように指導したのではないかと思います。

■お悩み8
「最低10年分は、過去問をやってください!と言われています。そんなにたくさん解く余裕がありません……。」

 この指導は、正しくは10年分ではなく「10回分」と言われた可能性が高いです(もし10年分と言われていたとしても、「それぐらいはやろう」という先生の気合の現れではないかと思います)。

 入試回数が1回しかない学校は、東京でも開成中学校や麻布中学校、女子御三家、早慶の付属校など少数派です。

 多くは4回〜5回の入試を組んでいるところが多いので、1つの学校につき10年分をやりきれることはまずありません。また、10年分の過去問を掲載している出版物はほとんど見かけません。

 まずは過去問を始める段階で、週1回くらいのペースでどの学校を何年分やるのか?どの順番(年度や科目)でやるのか?など余裕を持って決めておくことが大事です。