さかのぼって過去問を解く意味と
「勝負科目」の見分け方

■お悩み9
「過去問はどれぐらいの年度までさかのぼってやれば良いのですか?」

 入試のトレンドは、毎年変わります。ですので、あまり古い年度までやる必要はありません。

 例えば10年前の社会の時事問題を当時生まれたばかりの子どもが知っているわけもありません。政治分野も同様にやる必要がないと思います。

 一番影響がなさそうな国語についても、中学入試では「生成AI」や「移民問題」などその時に注目されている社会的なテーマが出典に反映されることがあるため、こうしたテーマが苦手な人は、1校の過去問を遡るよりも直近の併願校の過去問を優先して良いでしょう。

 また、校名変更や共学化、学校改革の成功で偏差値が大きく変わった学校は要注意。出題の傾向が大きく変化するので、過去問の点数は参考になりません。

■お悩み10
「受験者平均点は取れても、合格者平均点が取れません。どうしたらいいですか?」

 第一志望に限定すると、合格者平均点は基本的には取れない数字です。また、取れたとしても得意教科のみになるはずです。

 中学入試は、成績上位の生徒も「抑えの学校」として受験する入試なので、合格者平均はそうした得点力の高い生徒の点数も含んだ数字になります。抑えで受ける合格者は、より上位校に進学したら抜けていくので、重要なのは「受験者平均点」です。そして、一番はなんといっても「合格最低点」です。

 ちなみに、実質倍率が2倍の学校は受験者平均が合格ラインになるので、その点数を取ることは非常に厳しいとお考えください。合格者平均については、特に午後入試は抑えの生徒が受けるため、高い数字になることも覚えておきましょう。

 さらに、「合格者平均点-受験者平均点」を計算すると、その差が大きい科目こそが点数の差がつく科目=勝負科目となります。