法然上人が開いた浄土宗の総本山「知恩院」(東山区)法然上人が開いた浄土宗の総本山「知恩院」(東山区)

お彼岸が終わり、朝晩はすっかり涼しくなりました。この秋、京都で注目したいのが、開宗850年を迎えた浄土宗の開祖「法然上人」です。まずは京都国立博物館で開かれる特別展で事前学習をしてから、法然上人ゆかりのスポットを訪ねてみましょう。(らくたび、ダイヤモンド・ライフ編集部)

まずは京都国立博物館の特別展へ

 鎌倉幕府が開かれる10年ほど前、1175(承安5)年に比叡山を下りた法然上人は、東山吉水(現在の知恩院あたり)に庵を結び、専修念仏を広めます。2024年はこの浄土宗開宗から850年にあたるメモリアルイヤー。まずは、京都国立博物館で開かれる特別展『法然と極楽浄土をご覧ください。10月8日から前期展示が始まり、11月6日~12月1日が後期展示となります。

 この春から夏にかけて、すでに東京国立博物館でご覧になった方もいらっしゃると思いますが、浄土宗発祥の地で、法然上人が80年の生涯の最も多くの時を過ごした京都の展覧会だけに展示数も多く、京都会場でしか見ることのできない文化財も出品されます。その中でも必見の展示物を4件、ご紹介しておきます。

 通期展示で圧巻なのは、「仏涅槃群像」(香川・法然寺蔵)。仏さまが亡くなられて横たわる姿と、その周囲で嘆き悲しむ様子を描いた「涅槃(ねはん)図」といえば、一枚の絵で表現されるものが定番ですが、こちらは立体! 金色(こんじき)に輝く涅槃像の周囲を表情豊かな群像が囲んでおり、涅槃の日の一幕が生々しく伝わってきます。