小学校に入るくらいの子どもが、朝に自分で起きてこない、夜はひとりで寝つかない、「お腹すいた」とご飯を食べに来ない……としたら、「うちの子、『からだの脳』が育っていない!原始人の生活ができていない!」と、塾に通わせなきゃと思うのと同じくらいの危機感を持っていただきたいのです。
でも、もしそうだとしても心配しなくて大丈夫です。「からだの脳」は何歳からでも育て直すことができます。
人間の体内時計は
太陽の光を基準に動いている
人間が目を覚ますのに最も必要なのは、太陽の光です。人間の体内時計は、脳のなかで左右の視神経が交差する視交叉の上にあります。ここに太陽の光が入ると、脳が「朝だ」と認識します。夕方暗くなって光が視床下部に入ってこなくなると、「夜だ、寝なくちゃ」というモードになる。体内時計は、太陽の光を基準に動いているのです。まさに原始人の生活です。
つまり、太陽の光が毎朝同じ時刻に目の中に入るようにすれば、からだは「あ、はいはい。朝ですね」と、自然と起きてくる。周囲が暗くなってくれば、夜と認識して眠くなってくる。生まれたばかりの赤ちゃんではまだうまく働いていませんが、毎日繰り返しているうちに、1歳ごろには朝と夜を脳が感知するようになり、起こさなくても起きる、寝かさなくても眠るというリズムが出来上がります。視床下部には食欲中枢もあるので、お腹がすいたこともわかるようになります。