(1)「その場で返せるもの」は即レスが基本でOK。なるべくタスクを溜め込まないためにも、1分以内で返信できるなら、さっと返したほうがラクです。

 しかし、(2)「考えをまとめてから返す必要があるもの」については、話は別。たとえば「今度の企画会議でどんなアイデアを提案するか?」などは即レスするのではなく、じっくりと考える必要があります。即レスはしないで、必要に応じて考える時間を確保しましょう。

 また、(3)「返信する必要がない連絡」も知っておくべきです。たとえば、「ありがとうございます。承知しました」「こちらこそありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします」などの形式的なやり取りは、無意味な情報です。

 こうした内容には、チャットツールであれば「ハートマーク」や「レ」などのリアクションやスタンプで十分対応可能。それで業務がスムーズに進むなら積極的に使うほうが合理的です。一度でも「本当にありがとうございます」なんて返してしまったら、もはやそれをずっと続けないと、いずれ「失礼な奴」呼ばわりされるリスクさえあるほどです(笑)。

「薄い相手からのメール」は
無視してOK

 さらに、「営業メール」などの一方的な連絡には、返信義務は一切ありません。たとえば、付き合いで参加した交流会やイベントで名刺交換をした相手から「本日はありがとうございました」というメールが届くことがあります。

 これはいわば、「デジタル名刺交換」のようなもの。返信しないことで失礼に思われるかもしれませんが、実際には、その場限りの関係で終わることがほとんどです。「いつか何かしら」と期待しても、たいていは「いつまでも何にもならない」のです。

『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』書影山本大平著『消耗せずに成果が出る「情報の捨て方」』 (三笠書房刊)

 返信する手間や時間をかけるだけで、本当に重要な情報を収集する時間を奪われてしまいます。みなさんも、「返信しなくちゃ」という思い込みを捨てて、無駄な連絡にかける時間を削減してみませんか?

 実際、返信が必要なメールはおそらく全体の5%程度のはずです。大げさかもしれませんがこういったマインドセットを持っておくだけで、必要な情報だけに意識が向くようになります。何よりも割切れる人間になっていくので心がラクになっていきます。

 野球に例えれば、ボール球は全部捨てて、ストライク(必要な情報)だけに反応するようなもの。当然の原則です。これからは思い切ってすべてのボール球を全無視してみましょう。情報をどんどん捨てるし、もはや反応もしない。ぜひ泰然自若とした大仏にでもなった気分で仕事をしてみてください。