もちろん、彼らにとって「どこかの会社」が終着点ではありません。たとえ有名企業であろうと、そこで出世していくことを考えている若者はほとんどおらず、最初から「3年で辞める」くらいのつもりで入ってきます。

 要するに、学歴にも就職先にもたいして関心がない。親世代のように、そこに価値を見いだしてはいないのです。

人はなぜ大学に行くのか?
AIではうめられないものとは

 では、なぜ大学に行くのかといったら、「人」との時間を持つためです。

 デジタル化が進めば進むほど、人間関係は希薄になります。しかしながら、私たちは人との繋がりがなくては生きていけません。いくらAIネイティブの世代でも、それは同じです。

 彼らは大学で、サークルに入り、友人をつくり、飲みに行って馬鹿話をしたいのであって、一生在籍する会社に入るために有利な条件を整えたいのではありません。

 となれば、なおさら大学名は関係ないわけです。

 学生が大学名にも会社名にも頓着せず、就職しても3年で辞めるくらいのつもりであることに、企業も気づき始めています。だから、企業も学歴にこだわらなくなるでしょう。

 実際、これからは学歴より職歴が問われるようになることも予想されます。最後までこだわっているのは、古い価値観の大人ばかりということです。