私たちが日々の暮らしに不安を感じている、そのもう1つの根源的な理由は、そもそも経済が成り立っている土台である「地球」が有限だということに多くの人が気づいたことにあるのではないでしょうか。

 地球が宇宙に浮いた1つの星であり、私たち人類がその中で暮らしていることは、何百年も前からわかっていたことです。しかし、私たちはそこから目を逸らし、地球が生み出す資源を過剰に使うようになりました。

 その最もわかりやすい例が、石油や石炭、天然ガスといった化石燃料です。化石燃料を使うことで、車を走らせ、飛行機を飛ばせるようになりました。プラスティックや繊維、スマホやパソコンの原料としても使われており、まさに現代の暮らしは化石燃料に依存しています。しかし、その化石燃料の限界が次第に見えてきました。同様に、食物や大地や水の有限性もわかってきました。

人類が消費している資源の量は
「成長量」にしておよそ地球3個分?

 1960年代以降の暮らしの変化は、地球環境にも劇的に影響を与えるようになりました。

 ここで改めて、地球の現状を確認してみましょう。

 まず、私たち人類が地球にどれだけ負担をかけているのか。ここに、地球上の自然の成長量のうちどれだけ人間が使っているかを表した「エコロジカル・フットプリント」というグラフがあります(図1)。

図1:世界のエコロジカル・フットプリント(土地別)同書より転載 拡大画像表示