ここで言う「成長量を“使う”」という言葉には2つの意味があります。

 1つは食料を食べたり、木の伐採をしたりすること。もう1つは、私たちの廃棄物を分解し、自然のサイクルに戻すこと。そのためには、バクテリアなど色々な要素の関与と、そのためのエネルギーが必要になってきます。この実際的な消費量と、廃棄物を自然のサイクルに戻すための消費量が1対1だということは、すでに科学的に証明されています。

地球に残された石油資源は
富士山1杯分にも満たない?

 エコロジカル・フットプリントをもう少しよく見ると、何が一番地球に負荷をかけているかがはっきりわかります。もっとも多いのが「カーボン・フットプリント」と言われている部分です。これは資源を調達し、製品を生産し、廃棄するまでの全工程で使用された炭素(温室効果ガス)の総量を可視化したものです。

 あらゆる製品は生産から廃棄・リサイクルに至るまでの過程でたくさんのエネルギーが必要となります。そのエネルギーは、石油、石炭、天然ガスなどの化石燃料から得られるものですが、それもまた無限ではありません。

 原油の残量は、すでに2662億立方メートルしかないとされています。これは期待埋蔵量(これから新たに見つかるであろう石油)までが含まれた数値です。