地球上の自然の成長量とは、図1グラフ内「バイオキャパシティ」という線の部分です。例えば、お米が実った、木が大きくなった、動物や魚が子どもを産んだ、バクテリアが分裂して増えたといった、地球上の生きとし生けるものすべての成長量を数値化したものです。自然の成長量とは、自然が人類に与えてくれる“利息”のようなものです。
このグラフでは、自然の成長量のうち人間という1種類の動物による消費量が表されています。1960年の段階では、人間が自然の成長量の約半分を使い、あとの半分を他の生き物が使っていました。
しかし、最新の2019年時点のデータでは、人間が地球1.75個分の自然の成長量を使っている、とされています(図2)。もちろん、地球は1つしかありませんから、これは自然の利息を人類だけですべて使い、自然の利息だけでは足りずに自然の“元金”に手をつけている状況なのです。さらには、地球上の約80億人(2022年時点)の人間すべてが、今の日本人と同じような生活を行ったら、地球約3個分の成長量が必要だというデータも示されています。