2017年の発売以降、今でも多くの人に読まれ続けている『ありがとうの魔法』。本書は、小林正観さんの40年間に及ぶ研究のなかで、いちばん伝えたかったことをまとめた「ベスト・メッセージ集」だ。あらゆる悩みを解決する「ありがとう」の秘訣が1冊にまとめられていて、読者からの大きな反響を呼んでいる。この連載では、本書のエッセンスの一部をお伝えしていく。
2度、3度と会う人は、何十回、何百回、同じ時代を生きてきた「魂の仲間」らしい
以前、ダライ・ラマ(チベット仏教の最高指導者)に非常に近しい人と話をする機会がありました
そのとき私は、「あなたがたは、チベット仏教の中にある『輪廻転生』という概念を、どう考えているのですか?」と質問をしました。
この質問に対する、この方々の答えは、次のようなものでした。
「もちろん、輪廻転生は存在します。私たちが今、『ダライ・ラマ』に非常に近いところで仕事をしていられるのは、それまでの前世の『貯金』のようなものだと思っています。つまり、何十回かダライ・ラマの周辺で仕事をしたことが認められ、今生は『ダライ・ラマ』に非常に近いところで仕事をやらせていただいている、ということです」
「輪廻転生が存在する」という考え方は、東洋哲学(中国やインドの思想や哲学、日本の仏教など)に共通して見られる思想です。
そして、輪廻転生の中には、「自分と非常に密接な関係を保っていく人」が存在しているようなのです。
人間関係を大きく分けると、「2つ」あると思います。ひとつは「縁のない人」。その人の存在すら知らない人です。
もうひとつは、「縁のある人」。縁のある人は3種類に分かれていると考えています。
①歌手や俳優のように、「存在認識」はあるが、生涯、一度も会うことのない人
②一度だけ会うことがあり、顔を見たけれど、二度と会わなかった人
③2度以上会う人
お釈迦様の言葉に「同席対面五百生」という言葉があります。
「対面」とは面と向かうこと。「同席」とは、席を同じくすること。つまり「同席対面」の関係になった相手とは、すでに500回以上、同じ世で生きていることになるようなのです。
自分の身近な人(血縁関係のある人)に限らず、この世で一緒に生きている「他人」の中にも、自分の価値観や人生観、思想と同じようなものを持っている人がいます。
このような人たちは、同じ魂、近い魂を持った「仲間」と言えるのかもしれません。
私たちは一般的に、家族や血縁者を大切に思い、それ以外の人たちを「赤の他人」と呼んで区別しがちです。
しかし、魂のレベルで考えると、家族であるかそうでないかで区別することは無意味であることに気がつきます。
なんとなく気が合う人、考え方が一致する人、一緒にいると心が安らぐ人と「私」は、おそらく、過去に何十回、何百回、何千回と同じ時代を生きてきた「魂の仲間」らしいのです。
一度ならず、2度、3度と会う人とは、何か計り知れない「因縁」があるようです。
そう思って一人ひとりと接していくと、大変おもしろく、人生は奥深く興味深いものになっていくのだと思います。