そもそも、心理学で性格(パーソナリティ)という概念は、どちらかというと価値中立的なものとして扱われてきた歴史があります。
しかし授業のなかでもよく「よい性格とは何ですか」「悪い性格とは何ですか」という質問を受けることもあります。性格の良し悪しは、その性格の内容で決まるわけではありません。
性格の良し悪しは「どのような結果に結びつくか」で判断されます。よい結果に結びつくことが示された性格は「よい性格」であり、悪い結果に結びつく性格は「悪い性格」なのです。
簡単に思えますが、しかしそんなに簡単な話でもありません。性格がよい結果に結びつくか悪い結果に結びつくかは、状況との兼ね合いにもよるのです。
外向的な性格の人物も
状況次第で「望ましくない」性格に
たとえば、1人でいることよりも多くの人と一緒にいる場面を心地よく感じる外向的な人物は、社会的な関係が求められる場面では「よい」性格だとみなされます。
しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が広がり、国や自治体から自粛要請が出ているような状況下では、外向的な人物はストレスフルになったり、自宅待機をすることにがまんができず無理に外出することで感染を招いてしまったりする可能性もあります。このような状況下では、外向性という性格特性は「望ましくない」ものになるというわけです。