一般の人々の中での「よさ」「悪さ」とは何なのか、何をもって「よい」とするのか、「悪い」とするのか。ポジティブ心理学やダークな性格の研究は、私たちが価値についてどのように考えるべきであるのか、判断を迫ってくるのです。
ダーク・トライアドという
3つのパーソナリティ特性
ダーク・トライアドという枠組みは提唱されたものの、2000年代はあまり注目されないまま時間が過ぎていきます。
この流れが変わった1つのきっかけは、2010年にピーター・ジョナソンが発表したDark Triad Dirty Dozen(DTDD)と呼ばれる心理尺度です。これは、たった12個の質問項目で、3つのダーク・トライアドの側面を測定するという画期的な心理尺度でした。
それまで、ダーク・トライアドの研究ではマキャベリアニズム、サイコパシー、ナルシシズムはそれぞれの研究の中で開発された尺度が使われていました。
マキャベリアニズムを測定するMach-4と呼ばれる尺度は20項目、サイコパシーの心理尺度は複数のものが開発されていますがLSRPと呼ばれる尺度は26項目、SPR-2と呼ばれる心理尺度は60項目もあります。そしてナルシシズムの尺度としてよく使われるNPIという心理尺度も海外では40項目版がよく使われます。