「歳をとった親が言うことを聞いてくれない」。誰もが一度はこんな経験をしているのではないでしょうか。「親がいつまでも自分のことを若いと思っている」「病院ギライがなおらない」「お酒の量が減らない」などその悩みはさまざまです。親のことを思って言ったのにもかかわらず、いつも喧嘩になってしまうのは、実は伝え方に問題があります。そんな問題を解決すべく、『歳をとった親とうまく話せる言いかえノート』が発刊されました。本記事では書籍の一部を抜粋してお届けします。
老いた親とデイサービスの相談をしたい
「最近のお父さん、しんどそう。デイサービスを利用してみる?」。掃除機をかけられない、買い物の行き来だけで疲れてしんどいなど、まともに日常生活を送れなくなってきた親を心配する声かけです。
親世代は、誰かにサポートされるのを極端にイヤがります。そのためデイサービスを提案したところで、すんなりと受け入れることはほとんどありません。多くの場合、一悶着あります。とはいえ、自宅での介護がむずかしいとなれば、デイサービスなどに頼るほかありません。
こんなときは「ズシンと心に来る名言」に載せて、あなたの気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
たとえば、相田みつをさんは「七転八倒 つまづいたり ころんだりするほうが 自然なんだな 人間だもの」という書を残しています。
「七転び八起き」ではなく「七転八倒」ですから、人生転びっぱなしというわけです。「人生、うまくいかないことの方が圧倒的に多い」ということを伝える名言です。それが「人間らしい」というのですから、慰められる思いがしますね。
この名言のあとに「だからこそ、困ったときには、誰かに頼ればいいの」などと伝えてみましょう。名言には、人を納得させる“力”があります。