「やめられない止まらない」
ゲーム依存症まで一直線

 ここまでの内容を整理します。

 まず、同ゲームが象徴するように、スマホやタブレット端末でプレイできるゲームの多くは、やり始めると止まらなくなるような工夫がなされています。そのなかでも特に、容易に達成できるミッションと報酬を組み合わせるという手法は常套手段となっています。

 また、再びゲームをさせるための仕掛けが見て取れます。仮に1時間に1度、スマホやタブレット端末を手にするユーザーであれば、その度に同ゲームの世界では新たなミッションが発生していたり、アイテムや花が入手可能になっていたり、バザーに出品していた魚や果物が売れていたりする可能性が非常に高いため、どうしてもゲームを起動したくなります。

 現代人のなかには「スマホやタブレット端末が目に入る→スマホやタブレット端末を手に取ってしまう」という一連の行動が強力な習慣となっている人も多いですが、これがさらにバージョンアップして「スマホやタブレット端末が目に入る→スマホやタブレット端末を手に取ってしまう→報酬を期待してゲームを起動してしまう→ゲームをする手が止まらなくなる」という連鎖反応まで定着化すれば、ゲーム依存症まであと1歩です。

 そんなあと1歩まで達した生徒たちの目の前に、授業中、自由に使えるタブレット端末があれば、ついついゲームをプレイしてしまい、さらに状況が悪化してしまうのは想像に難くありません。