「全米ブランド」は、なかなか育たない?
「この業界の素晴らしいところは、ビジネスが握手と電話で完結することだ」。ラスベガスで開かれた2024年のNACS(全米コンビニエンスストア協会)の見本市で登壇した、あるコンビニ経営者が述べた言葉である。
日本人にはあまりピンと来ないかもしれないが、米国のコンビニはコミュニティストアの性格を強く残している。先の発言は、米国のコンビニ業界では「全米ブランド」というものがなかなか育たない、と言われてきたことを端的に示唆しているのだ。
しかしながら、この10年間で様子は変わってきた。デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展と店舗投資の必要性により、昔のままでは全く生き残れない新しい競争を浮き彫りにしている。