国連女性差別撤廃委員会が「皇位継承における男女平等を保障するため」として皇室典範の改正勧告をしてきたのだ。

 皇室典範に基づく皇位継承順位は秋篠宮さま、悠仁さま、常陸宮さまとなっていて、今上天皇の血をひく愛子さまは入っていない。なぜかというと「女性だから」だ。

 日本の皇室は初代の神武天皇から今上天皇まで126代にわたって父方(男系)で皇位が継承されてきたとされるため、「万世一系」(永久に一つの系統が続くこと)と呼ばれる。そういう世界的に見ても珍しい「純血主義」を、ここで絶やすわけにはいかないというのが、日本の基本的なスタンスだ。

 このような考えは「長男が家(墓)を守る」「女子は嫁に行く」という価値観が長く続いてきた日本人からすれば、「ま、そっちのほうがいいんじゃない?」と比較的受け入れやすいが、国際社会からすればまったく逆で「いつまでそんな性差別を続けているの?」となってしまうというワケだ。

 そんな「差別狩り」に対して、日本の保守は猛然と反論している。女性差別撤廃委にNGOとして参加した「皇統を守る国民連合の会」の葛城奈海会長は、「天皇は祭祀王だ。ローマ教皇やイスラムの聖職者、チベット仏教最高指導者のダライ・ラマ法王はみな男性なのに、国連はこれを女性差別だとは言わない。なぜ日本にだけそのように言うのか」と訴えた。