近年は、日本が世界に誇るアニメ・マンガもやり玉に上げられるようになった。表現の自由さ、多種多様な作品があることも、懐の深い文化として、日本人は肯定的に捉えている。

 しかし、国際社会では必ずしもそういう認識ではない。もちろん、日本のアニメ・マンガは海外にも多くのファンがいて年を追うごとにマーケットは大きくなっている。しかし、それにともなって「描写」に対して違和感を覚える人も増えていて、世界にファンが増えるほど、性暴力を助長するのでは、と悪影響を懸念する声もあるのだ。

 例えば、2014年にベルリンで設立され、60カ国以上で人権や社会正義について調査をする非営利メディア組織「FairPlanet」は、日本の誇る文化を以下のように紹介している。

「日本で非常に人気があり愛されているマンガやアニメは、社会に深く根付いた性差別的な考え方をしばしば明らかにしており、作品の中には児童搾取に近い内容のものもある」(FairPlanet 24年10月12日)

 このような日本と海外の「認識のギャップ」は22年4月、日本経済新聞に掲載された「月曜日のたわわ」(講談社)の全面広告炎上騒動を見ればわかる。

 このマンガ作品は、月曜日が憂鬱な社会人に向け、豊満な体型をした女子が中心に描かれるショートストーリー。というわけで当然、この全面広告でも、顔は幼くあどけないのに、胸が過剰なほど強調されたミニスカートの女子高生のイラストが掲載されている。