JR西日本「消滅危機」ローカル線ランキング、1位は大赤字!100円稼ぐのに1万1766円投入JR芸備線 Photo:PIXTA

話し合い拒否の自治体と
JR西日本を国交省が仲介

 JR西日本はすでにこの区間について、持続可能な交通体系の実現に向けた議論の意向を示してきたものの、自治体側は「協議入り=廃止検討」という懸念を持ち、話し合いを長らく拒否してきた。現在は国土交通省が仲介に入り、協議への参加が義務付けられる「再構築協議会」によって、「地域交通の存続」を目指した話し合いが続けられている。

 ただ、広島・岡山両県とも、「JR西日本は不動産業でも利益を上げている。なぜローカル線の維持を負担できないのか」といった一方的な主張を続けており、協議はしばらく平行線をたどりそうだ。

 芸備線に限らず、ローカル線の沿線自治体は「とにかく鉄道を維持し、費用はJRか国が一方的に負担」という主張を続けている。しかし、営業係数のワーストランキングに来る路線は1日の利用者が100人以下にとどまるなど、鉄道として存続する意味を見出しづらい。

 それでも存続するのであれば、地域で相応の負担(上下分離や第3セクター化など)をするか、そうでなければ収益、利便性ともに優れるバスなどに転換するといった議論を進めて然るべきだろう。