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企業における採用活動は容易なことではありません。多数の応募者の中から優秀な人材を見極め、獲得しなくてはならないからです。今回は、採用にあたって経営者がやるべきことと、してはならないことを紹介します。

※本稿は、関野吉記『管理職のチカラ(管理職の力) ~採用も、業績も、人材育成で変わる~』(プレジデント社)の一部を抜粋・編集したものです。

「即内定」だってアリ

 本稿では、採用活動において経営者がやるべきこととやってはいけないことを考えておこう。

 たとえば、現場の採用担当者から人材ペルソナにマッチする就活生と接触しているという報告が上がってきたら、経営者はどうするべきだろうか。

 私は、ある中堅企業の経営者が、現場の採用担当者が上げてきた候補者と面接をした後に、「いまの若者は意欲がないなんていうが、意欲のある、いい学生がいるものだと感心した」などと言うのを聞いたことがあるが、その採用担当者がそのひとりをつかまえるためにいったい何人の学生とコンタクトしたのか、それすら知らずにこんなことを言っている経営者は、それだけで失格だと思ったものである。

 経営者がまずやるべきことは、採用の現場を見ること、知ることであり、現場の採用担当の苦労に寄り添うことなのである。その上で、経営者でなければできない仕事がある。それは、採用活動にスピード感を持たせることである。

 現場の採用担当者から「いい人材と接触している」と報告があったら、管理職クラスの面接をスキップして、経営者が直接面接をすることを考えてもいい。もしもその人材が本当に必要な人材であると自分の目で判断できたら、その場で内定を出してしまってもいいのである。