同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。

【KPIのワナ】うわべだけの数字を追いかけてしまう人の末路Photo: Adobe Stock

【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い

 今回紹介するのは、「指標と率の落とし穴の法則」である。

【貧す人】指標だけで判断する
【稼ぐ人】指標のウラの実態を見て判断する

 KPI(重要業績評価指標)を設定し、日々トレースするのは経営に必須。
 だが、気をつけたいのは、運用するにつれ、徐々に指標=そこに見える数字にしか目が行かなくなることだ。

 マーケティングの指標=数字の背後には、必ず顧客が存在する。

 しかし、デジタルマーケティングで指標管理をやっていると、【貧す人】は、顧客を単なる数字と見てしまう。
 一人ひとりの顧客ではなく、「数字の集合体」と捉えてしまうのだ。

 代表的な指標にCVR(コンバージョンレート=成約率)がある。1000人のうち20人が購入したとすると、CVRは2%だ。

 多くの人は、2%が2.1%になっても、20人が21人になっただけと捉え、あまり気にしないだろう。

 しかし、その21人は果たして、前の20人と同じ顧客なのか?

 もしかすると、20人のときは半数以上が50代だったのに、今回は20代が過半数という可能性もある。

 そのような構造的な変化が起こっていても、指標しか見ていないと、まったく気がつかない。

分母と分子の「絶対数」に注意せよ

 次によくあるのが、率を指標にするあまり、「絶対数」に目が行かなくなることだ。

 先ほどのCVRでいうと、1000人中20人が購入した場合でも、500人中10人が購入した場合でもCVRは2%。

 率しか見ていないと、CVR2%で「変化なし」と判断してしまう。だが、このとき、売上は半減している。

 CVRだけでなく、開封率、クリック率など、率は分母と分子から成り立っているので、分母と分子の絶対数にも気を配る必要がある。

「えー神田さん、そんなにいろんな数字を見ないといけないなら、KPIの意味がないじゃないですかー」

 ただ、いつも見ている必要はない。
 率をトレースしているなら、定期的に分母分子の絶対数もチェックしてみよう。

 そうやって指標のウラに隠れている“顧客の実態”を把握し、次のアクションにつなげていくのが優秀な管理者であり、【稼ぐ人】なのだ。

(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)