同じような商品・サービスを扱っているにもかかわらず、楽しそうにラクラクと稼ぐ人がいる一方で、思うように稼げず苦悶にあえぐ人もいる。
その違いは、年齢や経験、持って生まれた才能によって生まれているとは限らない。
稼げない人も、稼げる人と同じように努力はしているだろう。しかし、結果には大きな違いが出る。
その原因は、ほんの一語の違いにあったのだ。
その一語の違いをまとめたのが、この道25年「日本のトップマーケッター」神田昌典氏による、一番やさしい、すぐ使えるコピーライティングバイブル『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』だ。
本書では、たった一語の差で、貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」が公開されている。
今回は本書より一部を抜粋・編集しながら、たった一語で天国と地獄に分断される「怖さ」と、一語変えるだけで大きく現実が変わる「面白さ」を見ていこう。
【貧す人】と【稼ぐ人】の決定的な一語の違い
今回紹介するのは、「利益を手放す覚悟の法則」である。
【貧す人】「利益」を得るために、「責任」は忘れよう
【稼ぐ人】「責任」を果たすため、「利益」を手放そう
「Don't Buy This Jacket」(このジャケットを買わないで)
アメリカの衣料品メーカー「パタゴニア」は、新聞広告で自社商品であるジャケットの写真とともに、こんなコピーを掲載した。「自社の商品を、買わないでくれ」と訴えたこの広告は、大きな反響を呼んだ。
なぜ、パタゴニアはわざわざ自社の損失になるようなメッセージを打ち出したのか?
企業責任を果たす決意を表明するためだった。
彼らは、環境を守るためにムダな消費を抑えるべきだと考えていた。
まだ着られる服を、シーズンが変わったからといって買い替えたり、修繕すれば長持ちする服を捨てたりしてしまうのが許せなかった。
それらは彼らの企業ミッションである「ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」ことと相容れなかったのだ。
似たような広告メッセージは、日本にもある。
「仕事を大切に、転職は慎重に。」
という転職サイト・エンジャパンの広告だ。
転職してもらうと彼らの利益になるが、それを手放してでも、「転職者の人生を守る」という社会正義をアピールした。
不動の地位を獲得する【稼ぐ人】の考え方
これは、ただ目を惹くキャッチフレーズではない。
一貫した行動によって言葉が裏づけられている。
エンジャパンの広告は、企業(=広告主)のいい面を表現するだけでなく、正直に会社を描く取材というスタンスを取っている。
パタゴニアも、エンジャパンも、利益を手放す決意で、責任を表明したことにより、社会的な知名度と高い評価を獲得した。
【貧す人】は、社会正義を語っているのに一向に実践しないが、
【稼ぐ人】は、利益を手放してでも、社会正義を実践する。
だからこそ、会社の評価が高まり、不動の地位を獲得する。
「◯◯を買わないで」
「◯◯は慎重に」
──この空欄を埋めるあなたの言葉は、何だろう?
利益を手放してでも、言行一致を貫くことをあなたが決意した瞬間こそ、あなたが社会で評価され始めるときだ。
責任を明確化するのは、とても面倒なことだと思われるかもしれない。
だが、責任を背負い始めると、強い絆で結ばれた仲間が徐々に増えていく。
あなたが責任を背負うことは結局、あなたを孤独から解放するのだ。
(本稿は『【スーパーパワーアップ版】稼ぐ言葉の法則 ── 貧す人が稼ぐ人に変わる「売れる法則85」』の一部を抜粋・編集したものです)