旅行券や宿泊券を選ぶ基準とは?
自治体が直営しているかがポイント

 まず、今年から変更になった点について簡単に説明しよう。総務省は22年以降、ふるさと納税で地域外のものや過度に豪華な返礼品が贈呈されることを防いできた。この規制が強化され、24年10月から以下の条件は返礼品として認められなくなった。

1. 宿泊施設の運営会社が都道府県をまたいで複数の宿泊施設を展開している場合
2. 運営する宿泊施設に共通のブランド名を冠している場合
3. 1名1泊あたりの費用が5万円(寄付額目安として少なくとも16万円以上)を超過する場合

 ところが、規制対象となる返礼品が、11月中旬時点でいまだ掲載されているふるさと納税ポータルサイトが多い。各自治体による移行対応などの理由から掲載しているケースもあるが、これには十分、注意が必要だ。旅行券や宿泊券を選ぶ場合は、必ずこの規制に従ったものを選ぶようにしよう。さもないと最悪の場合、寄附分が控除されないという事態にもなりかねなない。

 続いて、現時点で各自治体がふるさと納税の返礼品として指定している旅行券や宿泊券については、以下の3つのパターンが多い。

1. 地域外の旅行代理店などによって提供される旅行券(主に大手旅行代理店が多い)
2. 現地の宿泊施設が提供している旅行券
3. 自治体や現地の観光協会が提供する

 1は有名旅行会社の名が付く返礼品。しかし、実際の業務を行うのが地域外ということもあり、今後いつ規制対象になってもおかしくない。

 2についても寄附額が高額な場合は、「1人5万円以上」の新規制に当てはまる可能性がある。その場合はいつ寄付金対象からの除外といったペナルティになるかが分からないため、リスクは高い。

 これらに対して、3の自治体や現地の観光協会が提供しているものは、総務省との結び付きが強いこともあり、規制に対応して指定対象を選定していることが多い。納税者から見たふるさと納税の本来のメリットは「地域貢献のために寄附した金額相当を控除してもらったうえで、その地域固有の返礼品をもらう」ことに他ならない。このメリットを確実に享受したいなら、自治体や観光協会などの商品を選ぶのがベストだろう。

 さて、いよいよ本題だ。次ページから自治体や現地の観光協会が提供する返礼品の旅行券の中から、特におすすめしたい5選を紹介する。