玄米や雑穀米のビジュアルは、白米の印象とはかけ離れている。そのため、米不足の際に「普段と同じ食事をしたい」という需要とマッチしたのが、米と一緒に食べても違和感のない見た目ともっちりとした食感を持つ、もち麦だったのだ。
「個人的に驚いたもち麦商品は、昨年、はくばくから発売された『白米好きのためのもち麦』です。もち麦がお米に似ているとはいえ、大麦には『黒条線』と呼ばれる黒い線が入っています。その黒条線を独自技術で取り除き、形もお米に近づけたのが『白米好きのためのもち麦』。主力商品のもち麦の特徴をあえて消した商品が、はくばくから発売されたことに驚きました。視覚でも食を楽しめて健康にもつなげたいという、食べる人の気持ちに寄り添ったもち麦製品ですね」
冷凍食品やお菓子にも
広がりつづけるもち麦市場
また、もち麦の“転用しやすさ”もブームに拍車をかけているのでは、と藤原氏は分析する。
「第2次ブームでは、もち麦を利用した冷凍食品が増えています。たとえば、もち麦入りごはんの上にハンバーグやキーマカレーを乗せたニチレイフーズの冷凍宅配弁当の『もち麦ワンディッシュ』や、もち麦を使用したグリコの『SUNAO もっちりパスタ』も発売されています。お茶碗を飛び出した、次世代もち麦製品も人気を集めていますね」
スナック菓子や栄養調整食品にももち麦が使用されるようになり“主食以外”の商品が続々と登場している。多様な食品に加工できる柔軟さも、市場拡大に影響を与えたようだ。
「もち麦は一過性のブームではなく、人々の生活に定着しつつあります。最近は、もち麦のような“健康米”と呼ばれる穀物をおいしく炊ける炊飯器も多いので、家電の進化も楽しみながらもち麦を食べるのもおすすめです。今後、もち麦が主食の選択肢として躍進し続ける可能性は高いので、ぜひこの機会に一度味わってみてください」
穀物の優等生「もち麦」が、食卓のレギュラーメンバーになる日も近い?