顧客はウェブサイトで検索するのみならず、ウェビナー、IT情報誌、講演会など様々なタッチポイントに接触することも想定される。

 すると、比較サイトや雑誌などの取材に応じ、自社のよさを正しく理解してもらうことも必要だと見えてくる。想定されるタッチポイントで、どのような接点とメッセージがあると、顧客の検討の候補となれるのか?それらも協議する必要がある。

 自社の商品やサービスにいかに関心を持ってもらい、自社のサイトに来訪してもらうのか?その際、どのような情報を提供すれば、次のステップに進んでもらえるのか?時には顧客である総務担当者がこちらのコールセンターに電話をして、より深い質問をすることもあるだろう。

 購買においては、ある程度の対象を絞り込んだ上で営業担当者にコンタクトをし、購買の意思決定をすると考えられる。

 購入・使用後は、顧客向けのサポートサイト、コールセンターなどにサポートを求めるだろう。であればサービス提供者側は、どのようなサポートをすると顧客にとって理想的な体験となるのか、部門の壁を越えて事前に議論しておく必要がある。

 このようにして全社的に策定したカスタマージャーニーは、あくまで仮説であり、常に見直しが必要となる。完成はない。常に部門横断で振り返り、見直し、組織全体での学びを繰り返さなければならない。

 部門横断で見直しをする際には、共通のKPIを決め、組織としてどれだけ理想的な顧客体験を実現できているのかをモニタリングしていくとよい。

 例えば広告に対するインプレッション数(表示回数)とそれに対するクリックの回数、さらにそこから如何に資料請求や購買に繋がっているかという数値、想定される顧客ニーズや顧客が抱える課題に関するセミナーやウェビナーの参加人数、関連する自社サイトの閲覧数、メールマガジンの開封率なども重要な指標になり得る。