筆者の周りにも推し活に精を出すアラサー・アラフォーの女性が数名いて、ときには推しを追いかけて遠征したりして、とても充実しているように見える。

 この人たちは恋愛に興味を示さないのだが、身だしなみに気を使っていないかというとそんなことはなく、むしろ逆で、お洒落で魅力的である。推しの前では120%の自分でいたいと努力しているかららしい。

 そうした独身者は、親にどのような思いを抱いているのか。

「母もかなり自由に生きてきた人だった。私も自由に生きることについては、母に理解してもらっている」(40代女性)

「母、特に父は私に結婚してほしそうだが、まったく婚活をしない私を見ているうちに半ば諦めてきていると思う。両親の期待に応えられないことは少し心苦しいが、そこで私が申し訳なく感じてしまうのも違う気がする。兄は結婚して子どもがいるので、親は孫成分をそちらで補充していて、私にとってはありがたい」(30代女性)

「結婚しろという圧力を両親から強く感じていて、それが嫌で実家を出た。両親はそのまま変わらないと思うので、この微妙に疎遠な距離感がずっと続くと思う」(40代男性)

親世代とは決定的に違う!
子に共通する「ある姿勢」とは

 親への信頼、心苦しさ、反発など、独身者には様々な可能性の反応が想定されるが、多くに共通する点がある。それは、「独身者は親の希望に沿うべく自分の生き方を大幅に曲げることはない」である。

 自分に結婚してほしいらしい親の願望を理解し、自身も結婚にまったく興味がないわけではないが、ご縁も婚活をするほどのモチベーションもないので、そこに関しては「なるようになれ」の心持ちで過ごしている独身者は非常に多い。そうした未婚の子に対して、親が自身の希望を叶えるべく何かを言ったり働きかけたりすることの影響力はゼロではないが、子の生き方を大きく変えるまでには至らないようである。

 以上が帰省ブルーを探った実態である。時代ごとにある程度の傾向はあるとはいえ、親子の形は千差万別である。平穏仲良しの親子もいれば、バチバチにやり合いまくっている親子もいる。互いの心の赴くままに構築されたのがその親子の関係であり、世間に合わせようと無理に自分の形を変えようとしてしまうことの方がどこかにひずみを生じさせかねない。彼我の関係性を考慮に入れた上で、自分に最もしっくり来るスタンスを模索されたい。