「頑張っていると、ときに他者から批判されることもあります」
そう語るのは、転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さん。1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験を持つヘッドハンターであり、「現場」と「経営者」の両方の視点で、「圧倒的に活躍する人たち」と関わってきました。
その高野さんがベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめた書籍『ベンチャーの作法』が刊行。発売たちまち重版し、“きれいごと”抜きの仕事論に、社員からは「もっと早く知りたかった!」、経営者からは「よくぞここまで書いてくれた!」と、SNSでも多数の感想が投稿されるなど異例の反響となっています。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「批判との向き合い方」についてお伝えします。
批判してくる「評論家」たち
この本を読んでいる方は真面目で成長意欲が高いはずです。
YouTubeやTikTok、Netflixなど面白いコンテンツがあふれているなかで、貴重な時間を費やしてビジネス書を読んで自己研鑽しているのですから。
なので「結果が出るまでやり抜く」ことの大切さはわかってもらえたと思います。
そのための能力や責任感も、ある程度は持っていることと思います。
ですが、周りの人はそうではないかもしれません。
セカンドペンギンとして行動するあなたを批判する評論家も出てくるでしょう。
「批判の声」が人を追い込む
目立っているあなたに嫉妬して邪魔してくる人もいるかもしれません。
少しでも失敗すれば、ここぞとばかりに叩かれることもあるでしょう。
やがて批判や失敗が怖くなってしまうかもしれません。
行動できない人のいちばんの原因は、「失敗が怖い」という不安感情なのです。
かつての私も、誹謗中傷されて、よく暗い気持ちになったものです。
信じていた仲間が裏切り行為をし、私への誹謗中傷をいろいろなところで話していると、人伝に聞きました。ネット上にも、私とは断定していませんが、そう受け取られてもおかしくないようなことを書いていました。
たしかに私にも多少の非はあったのかもしれませんが、彼は私のことを信じてくれていたのではなかったのかと、心療内科にかかるまでに悩んでしまいました。
批判に対する「唯一の対抗手段」
周囲からの批判について、アドバイスできることはひとつだけです。
慣れましょう。
これしか言えません。
『鈍感力』『反応しない練習』『嫌われる勇気』などの本がベストセラーになったように、他者からの批判に対する有効な手立ては「気にしない力」を持つことです。
今は批判してくる人も、時間が経てばみんな忘れてしまいます。
批判が集まったとき、もっとも効果的なのは「何もしないこと」だと、日本を代表する企業の経営者から聞いたことがあります。
いちいち反論していてもきりがない。人は忘れてしまう生き物だから、堂々として静観しておくことが大事とのことでした。
優秀な人を批判することで、
自分を肯定しようとしている
批判はされるものとして受け入れて、行動していくことです。
批判してくるのは行動に移す勇気のない人たちです。
そんな人たちは、行動した人を責め、批判することで、行動しない自分のことを肯定しようとします。
そうすることでしか自身の選択を肯定できないのですから仕方のないことです。気にするだけ無駄です。
そんなことに時間を浪費せずとも、あなたが大きな結果を出しさえすれば、コロッと態度は変わります
(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です)