また、最近ではプログラミング教育も注目されており、そうした教室も盛んです。確かに、プログラミング的な発想は論理的思考力の土台になっています。文部科学省がプログラミング教育を義務教育に導入したこともあり、入試問題でもそうした要素が増える傾向にあります。
ただし、プログラミング教室に通わせているから入試で問われるような論理的思考力もカバーしていると考えるのは早計です。プログラミングでは「トライ・アンド・エラー」で済むところが、入試ではまずは長い文章を読んで、そこにあるルールを理解し、その上でトライ・アンド・エラーをしなければなりません。また、パソコンを使わずに手で考えていく必要もあります。
そして、論理的思考力に取り組む段階であっても、計算と読書の練習はやめずに並行して下さい。もし論理的思考力のドリルだけやりたがるなら、それはそれで構わないので止めず、ただ、少し時間が減ってもいいので、計算と読書の時間を完全になくさないように注意して下さい。
家庭でできる
体験型学習とは
最近では体験型学習やイベントが増えており、その質も向上し、比較的安価で参加できるものも増えてきました。理科の実験や社会科見学など、確かに興味・関心を引き出す意味では効果的です。しかし、これらは基礎学力の代替にはなりません。
例えば、名所旧跡に連れて行ったから社会が得意になる、実験を体験したから理科ができるようになる、というわけではないのです。むしろ基礎的な知識があってこそ、そうした体験がもともとあった知識に有機的に結び付き、より深い理解につながっていくという順番です。
親は普段忙しくてなかなか子どもとゆっくり過ごせないという後ろめたさから、つい、長期休暇中に奮発して、旅行やお金のかかるイベントに参加させることで埋め合わせする気分でいたり、そうした行事を「体験させた」という安心を得ようとしている面があるかもしれません。ただ、それは大人の自己満足に過ぎず、当の子どもはあまりそのイベントの重要性を理解していなかったり、むしろ遠出を望んでいないというのもよくあることです。