「『だれかtoなかい』については、唐突に終了することで憶測が生じることを懸念して慎重に終了のタイミングをはかっておりました。プライバシーを守ること、体調面の配慮、中居氏側の認識、示談が進んでいたことなどから番組については難しい判断がございました」

 人気タレントで数字(視聴率)も持つ中居さんをいきなり降板させたら、「なんかあったの?」という風評が業界内でたってしまう。広告代理店やCMスポンサー企業に対する根回しにも時間がかかる。そういう細心の注意を払って中居さん降板プロジェクトを水面下で進めていたのが、間に合わず先に週刊誌報道が出てしまったというわけだ。

 この理屈は「ギョーカイ人」の中には頷く人もいるかもしれないが、残念ながら「一般人」からすれば「はあ? そんな無理のある話、さすがに世間をナメすぎだろ」と反感しかない。

 唐突な降板が憶測を呼ぶというのはわかる。が、先ほどから申し上げているように経営トップが把握してから「1年半」も時間もあったのだ。この間に番組改編もあったのだから、どうとでも理由をつけて番組終了へもっていくことができたのではないか。

 実際、もし本当に水面下で調整をしていたのならば、「番組終了」を決断していなければおかしいタイミングがある。2024年1月、松本人志さんが文春砲を受けて法廷闘争に専念すると休業を宣言、「まつもtoなかい」から降板をしたときだ。

 松本さんというスターが不在になった時点で、番組を終了させるのは極めて自然だ。広告代理店やスポンサー企業にも申し開きが立つ。中居さん側にも「弊社としても女性の心身の回復を最優先しているのでどうぞご理解ください」と終了の交渉ができる。

 危機管理という意識のある企業ならば、この格好のタイミングを逃すとは考えにくい。フジテレビにとって松本さんのケースより中居さんのトラブルのほうがはるかに深刻だからだ。