F:試乗車でゴルフに行ったのですが、確かに横積みはできませんでした。でも後部座席の背もたれを前に倒せば問題なく縦積みができました。その分は搭乗人数が減ってしまうことになりますが、そこは割り切ったと。ちなみに「設計上の制約」とは具体的などのようなことですか。
森:タイヤハウスです。フロンクスは後輪の位置が、つまり車内に入り込むタイヤハウスの位置がかなり後ろにあるので、どうしてもラゲッジスペースの幅が狭くなってしまうんです。ここに無理やりでも積めるように設計するのはかなり難しい。
F:しかしゴルフバッグの横積みはそんなに大事なのですか?
森:大事ですねぇ。日本では「横向きに積めないのか?」とかなり言われます。逆に海外では全く言われません。1度も言われたことがない。ヨーロッパ車なんて、Fセグメントに分類される大きなクルマでも横向きにスッとは入らないでしょう。少し斜めにしないと入らないクルマが多いですよね。
条件その2:ETCユニットを入れるスペース
森:あと日本向けに最初から織り込まなければいけなかったのがETCのためのスペースです。インパネの横に付いている、ETCカードを差し込む装置を設置できるスペース。
F:ETCカードを差し込むスペース。右下にありましたね。
森:はい。これ、海外からは「何に使うの?」って言われてしまうんですよ。「何?この穴」って(苦笑)。だからそこは小物を入れられるポケットとして使えるように、(ETC装置を置く場所としては)少し大きめに造っておいて、ETCはその中に収めるように設計しました。