営業利益率推移※決算期の変更により、2020年3月から8月までの半年のデータは反映していない
出典:Speedaを使って筆者作成
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 本業の収益性を表す営業利益率は直近5年の平均で7.7%と、商材の違いこそあれ、ユニクロを運営するファーストリテイリングの12.4%、ニトリの16.4%に比べると見劣りします。

 強いブランド価値をもうけにつなげられない――。これが無印良品の弱みでもあり、課題なのです。

ファストリ、ニトリと比べて
無印良品で「圧倒的に劣った」数字

 少し、深掘りしてみましょう。ブランド価値をもうけにつなげるためには、強い商品力とそれを生かすオペレーションが必要になります。無印良品の商品を売り切る力は、他社と比較してどうなのでしょうか。

 次のグラフは20年以上の長期にわたって、3社の売上高と棚卸資産回転期間(いわゆる在庫回転日数、商品が平均何日で売れているか)の関係を見たものです。

 各社とも、売り上げ拡大に伴って、商品が売れるまでの日数が増える傾向にあります。その中でも、良品計画の棚卸資産回転期間の増え方が売り上げ拡大に対して劇的であること、さらにその水準も161日(23年度)と、ニトリの95日、ユニクロの118日と比べても商品の回転が悪い(売り切るのに半年弱かかる)ことが読み取れます。

棚卸資産回転期間※決算期の変更により、良品計画は2020年3月から8月までの半年のデータは反映していない
出典:Speedaを使って筆者作成
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 売り上げ成長に伴い在庫を過剰に抱えてしまう問題は、そもそもの商品の開発力、原価管理、需要予測の精度、サプライチェーンの柔軟性、価格設定、在庫管理、店舗での販促をはじめとするオペレーションなど、商品を売り切るための一連の仕組み、プロセスがスムーズに機能していないためと考えられます。