英語を勉強しているが、英会話の上達を実感できない――そんな人に試してほしい1冊が『中学英語だけで面白いほど話せる!見たまま秒で言う英会話』だ。「イラストを見る→見たままを英語にする」を繰り返すことで、日本語を介さず瞬時に答える「英語の反射神経」を鍛えることができる。本稿では、著者の森秀夫さん(麗澤大学外国語学部教授)に「英語をなかなか続けられない」という悩みに関して、学習のアドバイスをもらった。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
![英語を独学で身につけるのに「一番効果的な方法」とは?](https://dol.ismcdn.jp/mwimgs/4/4/670/img_4400621c0bf0dc574e6ec2dda030a93e92056.jpg)
英語を後回しにしない「時間管理術」
──英語を話せるようになりたいと思っても、どうしても時間がうまく使えず、なかなか継続できません。
森秀夫(以下、森):貯金の方法を応用して時間をうまく使う考え方があります。
──貯金の方法ですか?
森:貯金には2つの方法があります。1つ目は給料を使い切らずに余ったお金を貯める方法。2つ目は、最初から給料の一部、例えば5万円を別の口座に移して、手をつけられないようにしてしまう方法です。
この2つ目の方法を時間の使い方にも当てはめるといいのです。
──時間をどうやって確保するんですか?
森:毎日空いた時間で英語を勉強しようと思っても、つい後回しにしてしまって、結局やらずに終わってしまいます。だから、最初から1週間の予定の中に英語の勉強時間を組み込むのです。
例えば「毎朝6時に起きてNHKのラジオ英会話を聞く」と予定を決めます。ラジオ英会話の場合、毎日15分と時間が決まっていますよね。これが「時間を確保する」例です。
──確かに、毎日決まった時間であれば習慣化しやすそうです。
森:ラジオ英会話の良いところは、15分の中で発音練習やアウトプットの練習が含まれていることです。
しかし、これだけではアウトプットのトレーニングが足りません。
アウトプットのトレーニングを増やそう
──アウトプットをどう補えばいいんでしょうか?
森:英会話に自信がない人の中には、無理に長い文章を言おうとしたり、難しい表現を使おうとして言葉に詰まってしまう人が少なくありません。
おすすめなのは、まずは中学英語の表現を使いこなせるようにトレーニングすることです。
──中学英語ですか?
森:はい、中学英語と聞くと「そんな簡単なこと、今さら学ぶ必要なんてあるのか?」と思う人もいるかもしれませんね。ですが、知識として知っていることと、自分が使いこなせることは全く別です。
日本語の会話がシンプルな言葉で成り立っているように、英語も中学レベルの語彙や表現で、実はたくさんのことを伝えることができます。
──たしかに、実際に英会話が必要な場面になると、シンプルな表現すら口にできず、あたふたしてしまうことばかりです。
森:それに中学英語であれば、短期間で一気におさらいできて、アウトプットに多くの時間を費やすことができます。
そのほかにも、さらに実践的な方法として、言語交換アプリを使うのがおすすめです。
例えば「HelloTalk」というアプリでは、日本語を学びたい外国人とつながることができます。チャットや通話の機能を利用して、外国人とコミュニケーションをとることができます。
プロフィールに「英語を本気で学びたい」「なぜ英語を学んでいるのか」「趣味」などを書いて、相手に興味を持ってもらえるよう工夫してみてください。
──確かに、自分をアピールすることが大事ですね。でも、どんなふうに会話を進めればいいですか?
森:例えば、ネイティブが「catch on」というフレーズを使ったとします。
その意味が分からなかったら、「What does 'catch on' mean?」と聞いてみてください。「How do you use that phrase?」と続けて尋ねるといいでしょう。
相手から、「The song caught on soon and was number one in Japan.(その曲はすぐに流行し、日本でナンバーワンになった。)」のような例文を教えてもらうこともできます。
──学んだ表現を実際の会話で使うことが大切なんですね。
森:その通りです。アウトプットを増やすことで学んだ内容が定着し、どんどん自信がついてきますよ。
まずは学習の予定を決めて、時間を確保するところから始めてみましょう!