社内コンクールで事業を次々と創出できる土壌をつくる

――坂上:御社の強みを3つ上げると、どのような点になりますか。

諸藤:1つ目は事業を発見し、創出する力。2つ目は創出した事業を伸ばす実行力。3つ目は事業間の相乗効果です。

 まず、1つ目の事業を創出する力についてですが、弊社では毎年4つから5つの事業を立ち上げています。多くの事業を創出できるのは、事業同士がお互いに重なり合っているからです。

 例えば、弊社が初めに行った事業は、ケアマネージャーの人材紹介事業でした。ここである程度収益の目途が立った時、横に展開して一般介護職向けの求人広告の事業を行いました。

 さらにケアマネージャーのコミュニティを作成し、次は介護サービスの利用計画書であるケアプランを、インターネット上で作成できるサービスや、介護保険の請求システムを開発、提供しました。

 このように、隣接する領域にどんどん手を広げていくことで事業を次々に立ち上げています

――坂上:事業を創出できる人材を育成するためには、どのような取り組みを行っているのですか。

諸藤:社員が事業のアイデアを競う「ゼロワン」という取り組みを行っています。昨年は社員の4割にあたる250名ほどが参加してくれました。事業の創出へ興味を持ってもらうことは、会社として大きな意味があることですので、エントリーすると必ず役員がサポートするなど、会社全体で応援する仕組みを整えています

高齢社会に適した情報インフラを構築し、<br />隣接する領域にどんどん事業を立ち上げる事業アイデアを競う「ゼロワン」のプレゼンの場面

――坂上:ゼロワンでは、どれくらいのアイデアが出されるのですか。

諸藤:120ほどですね。そこからセカンドステージに10チーム、ファイナルステージには5チームほどが進みます。

 ファイナルステージまで残ったチームは全社総会でプレゼンを行い、そこでチャンピオンを決める、という流れです。優勝すると必ず事業になるわけではありませんが、昨年に優勝したアイデアは現在事業化に向けて進んでいます。