株式投資で、新NISAを活用しない手はありません。せっかく使うからには、そのメリットを最大限に活かせる銘柄を選びたいところ。新NISAのメリットとデメリットから導き出される考え方は、大きく2つ。「手堅い利益」をとるか、「大きな利益」をとるかです。『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』から、新NISAで買うべき株の、基本的な考え方と狙い目を紹介します。
手堅く利益がとれて長く持てる株を選ぶ!
狙い目は優良高配当株や安定成長株
株への投資で、新NISAは非常にメリットが大きい制度です。活用しない手はありませんが、せっかく使うからにはそのメリットを最大限に活かせる銘柄を選びたいところです。
新NISAの成長投資枠は、投資の自由度が高いことが魅力。あらためて、制度の特徴をおさらいしておきます。まず新NISAのメリットとして、通常なら利益にかかる約20%の税金が、非課税になります。いくら儲けても税金はゼロです。一方で、利益が出なければメリットがありません。またデメリットとして、損が出た場合は損益通算ができません。
ここまでは旧・一般NISAと同じですが、新NISAでは非課税で投資できる期間が無期限。さらに、売却した場合、そのぶんの枠が翌年以降に復活します*。これらによって、“持ちっぱなし”の長期投資も、利益確定のための売却や銘柄の入れ替えもやりやすくなっています。ちなみに2023年までの旧・一般NISAは、非課税で保有できる期間が最長5年で、売却後の枠の復活もありませんでした。
*売却分が復活するのは生涯の最大利用可能額である、成長投資枠の1200万円(つみたて投資枠と成長投資枠の合計で1800万円)。成長投資枠の年間240万円の枠は変わらないことに注意。たとえば100万円分の株を売却しても、翌年の成長投資枠が340万円に増えるわけではない。
新NISAのこうした特徴から導き出される“買うべき株”は、大きく分けると2タイプ。
一つは、確実にメリットを得るという点を重視して、「手堅く利益がとれる株」です。具体的には、減配リスクが極めて小さい優良配当株や、配当利回りが高くてかつ安定配当の株がおススメとなります。高配当株なら、通常なら配当にかかる約20%の税金分は、必ずトクになります(減配しない高配当株については「2025年の新NISAは高配当株がますます狙い目! 14年連続増配の「NTT」に注目」の記事を参照)。
また、長い目で見て着実な成長が見込める株も狙い目です。非課税期間が無期限という特徴を活かし、安心して長く持ち続けられる株を選びましょう(着実な成長が期待できる株については「新NISAでは誰もが知る有名銘柄が狙い目!「ソニーグループ」は世界が注目するエンタメ企業で期待大」の記事を参照」)。
利益が大きいほどトクも大きくなる!
株価数倍が期待できる株を狙え
もう一つのタイプは、「できるだけ大きな利益がとれる株」。利益が大きいほど、非課税でトクをする分も大きいからです。たとえば利益が10万円の場合、20%の税金がゼロになることによるトクは2万円ですが、30万円の利益なら6万円のトクとなります。
そこで、株価が数倍になるような大化けが期待できる株を狙います。一方でそうした高成長株はリスクが高め。投資額は資産の一部にとどめ、安定高配当株や安定成長株と組合わせるのがおススメです。期待が外れたら買替えも視野に。売却した場合に非課税枠が復活する新NISAの特徴が活かせます(大化け狙いの株の選び方は「新NISAのメリット最大化が狙える! 高度な技術力でITのニッチを独走する超高成長の大化け期待株とは!?」の記事を参照)。
とりたいのが配当か、値上がり益かでも違ってきます。配当はより確実な利益、値上がりはより大きな利益が狙えます。選び方次第では、配当と値上がり益の両取りを狙うことも可能です(両取り狙いの株および安定配当株を選ぶポイントは「新NISAでオススメの高配当株!「竹内製作所」など配当&値上がりが狙える株や長期保有向き銘柄の選び方を解説!」の記事を参照)。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 新NISAで買うべき株&投信77 2025年度版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。