「自分の仕事に足りないことを全部言語化してくれる本」「会社員人生が180度、変わった!」
そんな感想が届いているのが、安藤広大氏の著書『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』シリーズ三部作だ。これまで4400社以上の導入実績があるマネジメント法「識学」をもとに、ビジネスの現場で「一生活躍し続けられる」メソッドや思考法を授ける本シリーズは、さまざまな業界から圧倒的な支持を集めている。
今回は、全ビジネスパーソンに必須の「意思決定」のあり方を指南する、シリーズ最新刊『パーフェクトな意思決定 「決める瞬間」の思考法』の中から、特別に本書のエッセンスを解説する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

絶対に上司に選んではいけない特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「重大な意思決定」との向き合い方

 ビジネスにおいて、意思決定は非常に重要なスキルです。

 ただ、決めることは、怖いことでもあるでしょう
 そこで、ハードルを下げる方法を紹介します。

 決めやすいものには、ある特徴があります。
 それは、「やり直しが利くかどうか」です。

 つまり、どれだけ重大かどうかが意思決定の難しさに直結しています。

「結婚相手を決めるとき」「どこで働くかを決めるとき」などがそうでしょう。
 かなり重要な選択になります。

 意思決定には、3つの箱があります。それは、「即決」「情報不足」「期限を設定する」の3つです。

 もし、やり直しが利くのであれば、意思決定の3つの箱では、「即決」に入れるべきです。
 やり直しが利かず、「重大さ」が大きいのであれば、「情報不足」「期限を設定する」に入れる。

 コストの計算くらいであれば、すぐに取り掛かることができるはずです。
 しかし、情報を集めれば集めるほど、タイミングを逃すことにもなる。
 ある程度なら時間をかければメリットがある。
 ただ、時間をかければかけるほど、チャンスを失う可能性も出てきます

「結婚すべきかどうかを先送りし続けていたら、フラれてしまった」
「内定を承諾すべきかどうかを検討していたら、見送りになった」

 選択肢がなくなってしまう前に、きちんと「期限」を設定することが大事なのです。

1つの「小さい決断」を入れる

 仕事において重大な意思決定が必要なとき、どうすべきなのでしょうか。
 おすすめは、「リスクの低い実験をする」ということです。

 工場で製品を作る前には、必ずテスト版の「試作品」を作ります。
 それをもって、試供品を配り、反応を確かめたりすることができます。
 あなたが読んでいる本書も、印刷の前に「見本」を作っています。
 それは致命的な印刷ミスなどを回避するためです。
 そのように、重大な決断の前に、1つ段階を入れることで、意思決定の「勇気」のハードルが下がるのです

 ただし、ここでもバイアスがある。
「せっかく試したから、もう引き返せないのでは?」という思い込みです。

 これは、「絶対に上司に選んではいけない特徴」にも関わってくるのですが、「一度決めたことを取り下げない」というのは、最悪の決断です。
 こういう人を出世させてはいけません。

 引き返せる段階だからこそ、試すのです
 試した結果、「やめる」という意思決定をするのも、勇気が必要になる。

 だからこそ、優秀な上司は、「ここで撤退します」「失敗したので、次に行きましょう」ということを堂々と言えるのです。

 前に進めると、必ず勇気は伴うのです。

(本稿は、パーフェクトな意思決定の著者・安藤広大氏が書き下ろしたものです)

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。2002年、早稲田大学を卒業後、NTTドコモ、ジェイコムホールディングス、ジェイコム取締役営業副本部長を経験。プレイングマネジャーとして「成長しないチームの問題」に直面し悩んでいたときに「識学」に出合い、2013年に独立。多くの企業の業績アップに貢献した。2015年、株式会社識学を設立。わずか4年足らずで上場を果たし、これまで9年間で約4400社に識学メソッドが導入されている。著書にシリーズ累計150万部を突破した『リーダーの仮面』『数値化の鬼』『とにかく仕組み化』(ダイヤモンド社)がある。『パーフェクトな意思決定』はシリーズ最新刊。