良いアイデアがなかなか出ない……!たくさん考えているのに、行き詰まりを感じている人は、もしかしたらよく眠れていないかもしれない。もっと頭をすっきりさせて、アイデアを次々に出したい人におすすめなのが、『無意識さんの力でぐっすり眠れる本』だ。人気心理カウンセラーの大嶋信頼氏の本書では、心理学的なアプローチによって、働きすぎている意識をストップし、無意識の力を引き出す方法を多数紹介している。今回は本書から、無意識の力を使ってアイデアがひらめくようになる方法とその理由について紹介する。(文/小川晶子、ダイヤモンド社書籍オンライン編集部)

無意識さんの力でぐっすり眠れる本Photo: Adobe Stock

ただ考えていても、良いアイデアは浮かばない

 新しい事業や商品の企画、難しい問題の解決法、大切な人を喜ばせるサプライズなどなど、アイデアを出したいとき、あなたはどうするだろうか。

 一般的に、ただ頭の中でひたすら考えていても良いアイデアはひらめきにくい。

 堂々巡りになってしまい、思考が進まないことが多い。そこで、「紙に書き出す」「他の人と話し合う」という方法がある。

 紙に書き出せば、そこに書かれた言葉が刺激となって「じゃあ、こんなのはどうだろう?」と考えを進めることができるし、他の人と話し合えば、自分では思いつかなかった視点を得ることができるだろう。

 このとき大切なのは、思いついたことを「あれもダメ、これもダメ」と吟味して否定しないことだ。否定していると、ますますアイデアが出なくなってしまう。

無意識が提案してくれるアイデア

 アイデアを否定せず、質より量を重視して出していく方法は「ブレインストーミング」と呼ばれる。

 心理カウンセラーの大嶋信頼氏は、頭の中に浮かんだことを否定せずに書き出していくブレインストーミングについてこう述べている。

「このアイデアはよくて、あのアイデアはダメだ」と判断しているのが意識なのですが、「吟味しない」でアイデアを出していると、意識が働きにくくなって、無意識の力が引き出されていきます。
自分で限界までアイデアを出したときに、無意識が「こんなのはどう?」と素晴らしいアイデアを出してくれる。「そのアイデア、すごいかも!」とうれしくなります。無意識が出してくれたアイデアだけが輝いて見えるからおもしろいのです。(P.154)

 ポイントとなっているのは、無意識の力だ。

 無意識の力を引き出したとき、想像を超えるようなアイデアが生まれるのかもしれない。

天才的な発想を夢の中で得る

 このブレインストーミングと同じ効果があるのが、「よく眠ること」だという。

いいアイデアがほしいときは、お題を頭に入れて眠ってみる。すると無限の力を秘めた無意識が働き、素敵なアイデアを授けてくれるようになります。(P.156)

 昼間うんうん考えてもひらめかなかったことが、無意識が働く夢の中でひらめいたり、朝起きた瞬間にひらめいたりする。

 世界の偉人たちが、天才的な発想を夢の中で得たという逸話は多いが、無意識の力を引き出すことに成功したのだろう。

 たとえば、科学者のメンデレーエフが「元素周期律表」を作ったのは、夢の中に元素記号が並ぶ表が出てきたからだというのは有名な話。すごすぎる。

 この逸話を知って、私もそんな夢を見たいと何度思ったことか。メンデレーエフはお題を頭に入れた状態で眠ったので、無意識がキラキラ輝くアイデアを出してくれたに違いない。

 夜も寝ずに考えるのではなく、「お題を頭に入れてよく眠る」。これが大事だ。よく眠ることは、良いアイデアを出すためにも重要なのだ。

お題を頭に入れて眠るとアイデアが出るしくみ

 本書の中では、よく眠ることでアイデアが出てくるしくみについても説明されている。ひとつは脳内の炎症物質との関係。

「アイデアが浮かばない」とストレスを感じてしまうと、脳内に炎症物質がたまり、頭がうまく働かなくなります。
適切な時間にぐっすり眠れるようになると、脳内の炎症物質が減り、本来の自分の能力が使えるようになり、いいアイデアが浮かぶようになるのです。(P.156)

 もうひとつは、「脳内の網の目(グリア細胞)の細かさ」と関係する話だ。

 脳内の網の目が細かければ細かいほど、あらゆる可能性を考えて柔軟に対応できるのに対し、網の目が粗ければ「この可能性しかない!」と、限られた選択肢しか思い浮かばない。それが、寝ている間は、網の目が粗い人でも細かい人と同じように柔軟になる。

寝ていると無意識が働くので、脳内の網の目が粗い私でも「あれ? こんな展開はいつもの私だったら考えられない!」というようなことを夢の中で体験できます。(P.157)

 実際、著者の大嶋氏は眠っている間にアイデアが浮かぶという不思議な体験を何度もしているという。

 私も先日、どうしても解けなかった問題(謎解き)が、朝目覚めた瞬間に解けて「わかった!」と言いながら起きたため、家族に「夢の中で解いたの?」と驚かれた。本書の力を借りて、よく眠ったことが功を奏した。

 本書には、考えすぎて眠れない人がぐっすり眠れるようになるヒントがたっぷり詰まっている。素晴らしいアイデアを出したい人も、とにかくよく眠りたい人も必読の書である。