「阻害要因」を聞き出すのも重要

もう一つ、できるリーダーが1on1で聞いていることがあります。それは「阻害要因」です

メンバーが目標達成できていない場合、そこには何かしらの理由があります。「なぜできていないのか?」を素直に聞いても、メンバーは「自分の努力不足です」など、謝罪に近い回答をするでしょう。しかし謝罪したところで、解決されませんね。

ここで有効なのが、「どんな壁にぶつかっている?(何ができれば次に進める?)」という問いかけですこの質問なら、メンバーは自分の課題を素直に話しやすくなります。

「資料作りに時間がかかりすぎて、商談の数を増やせていない」
「先方の担当者にアポイントの電話をかけるのが緊張する」
「提案内容に自信が持てない」

このような本音を引き出さなければいけません。そしてこのメンバーが直面している壁を取り除くことこそがリーダーの仕事です。

資料作りに時間がかかるなら、テンプレートを提供したり、他のメンバーの助けを借りる方法を考えたりできます。電話が苦手なら、一緒に練習したり、最初は同席したりする選択肢もあります。

メンバーの「だって」を理解する

メンバーが行動できない理由には、必ず「だって」があります。「だって~~だから」という言い訳にも聞こえる部分こそ、メンバーの本音です。

「新規開拓のために毎日20件電話すると言ったけど、できてないね」
「だって、いきなり電話しても断られそうだし……」

一般的には、このような言い方をすると怒られます。かなりきつく怒られることもありそうですね。しかしこの「だって」こそがメンバーの本音で、リーダーが向き合わなければいけない部分です。

この「だって」は、メンバーの不安や障壁を表しています。これを取り除くことで、メンバーが動けるようになるわけです。

「電話して断られるのが嫌なんだね。じゃあ、最初は私が横について一緒にかけてみようか? または、メールから始めるのはどうだろう?」

このように、「だって」を否定せず受け止め、一緒に解決策を考えることで、メンバーは安心して行動に移せるようになります。