新潟観光ナビのホームページには「(糸魚川市で)数年前には100万円を超える翡翠原石が発見されてテレビで話題になりました」との記述もありますが、探してみる価値があるのかないのかは、ご判断にお任せします。

 一攫千金を目指さずに、自分の気に入った石を集めるコレクションであれば、お金もかからずにウォーキングも兼ねた人生の楽しみ方として、自信をもってお勧めいたします。

吟味して創った
自作の撒き餌

 幼い頃、毎週のように父親に連れられて行った川釣りで、僕はいろいろなことを体験し、学びました。

 毎週毎週、持てあましてしまう山のなかでの時間を、少しでも有意義なものにするために頭をひねっていたのです。

 最初にやったのは、少しでも魚が多く釣れるように“おいしい餌”をつくること。出かける前日の土曜日、魚たちをおびき寄せるための「寄せ餌」(撒き餌)をつくりました。

 山から取ってきた赤土に、水と糖と酒粕、きな粉、カイコのサナギをすり潰した「サナギ粉」、大麦を焙煎(ばいせん)して挽いた「はったい粉」などを混ぜ合わせて味を調整します。

 魚の好みはわからないのですが、何回も吟味しながら自分なりにいい味にして「これだったら魚が食うな」なんて思いながら、よく練って団子のように丸めて、箱に何十個と入れて持って出かけました。

 ポイントに着いたら、その撒き餌をポーンと投げ入れて、魚が寄ってきたタイミングで釣りを始めます。

 釣り針につける餌は「サバサシ」。サバを腐らせておいておくと、蠅が飛んできてそのうちにウジが湧いてきます。そのウジムシが一番の餌なのです。

 釣れた魚は、すべてちゃんと食べました。

 あの頃は「キャッチ・アンド・リリース」なんていう概念はなくて、フナだろうがナマズだろうが、泥臭くても何でも食いましたね。

 刃の部分が、金色の真鍮(しんちゅう)製の鞘に収まる「肥後守」という折りたたみ式のナイフがあって、釣ったばかりの魚の腹をそれで割いて、はらわたをとり出して洗います。

 そして、キャンプみたいに、薪になる木を集めてきて、火を熾して調理を始めるのです。