ブロッコリー、ほうれんそう…
肺炎の防止に効果的なのは?
肺炎予防によい栄養素は、葉酸。ビタミンB群の1つ、葉酸が不足すると、脳内神経伝達物質のドーパミンが合成されにくくなります。すると、嚥下反射とせき反射を促すサブスタンスPが減少し、嚥下機能が低下。誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
葉酸欠乏は高齢者の嚥下機能を低下させ、誤嚥性肺炎のリスクになるという報告があります。しかし、こうした高齢者に葉酸を補給すると肺炎の発症率を低下させることも確認されています。
葉酸が多い食品といえばレバーですが、さすがに毎日食べる食品ではありません。そこで、葉酸が豊富で毎日食べてほしいのが、ほうれんそうやブロッコリーなどの緑黄食野菜。ブロッコリーの芽(ブロッコリースプラウト)は、加熱せずに生のままサラダなどにして食べられるのでおすすめです。また、トウガラシの辛味成分、カプサイシンもサブスタンスPを増やして、嚥下反射とせき反射を高めます。
呼吸器感染症の予防に
効果的な栄養素ビタミンD
ビタミンDは、かぜやインフルエンザなどの呼吸器感染症を予防する効果が期待できる栄養素として知られています。
ロンドン大学クイーン・メアリーの研究によると、ビタミンDのサプリメント摂取で、急性呼吸器感染症のリスクが12%下がると報告されています。
豊富にビタミンDを含む食品には、魚や卵、キノコ類などがあります。カルシウムとともに骨をつくるために必要なビタミンの1つでもあるので、これらの食品もしっかりとりたいものです。
ビタミンDは食品からだけでなく、日光に当たることによって、体内で合成されます。晴れた日に散歩をすると、ビタミンDが合成できるだけでなく、運動にもなるので一石二鳥です。
ただ、季節や天候によっては、日光浴をして合成されるビタミンDだけでは十分な量ではないので、食品からも積極的にとるように心がけましょう。
