「社員全員に買って配りました」
「入社する人への課題図書にしています」

そんな声が多数寄せられているのが、書籍『ベンチャーの作法 -「結果がすべて」の世界で速さと成果を両取りする仕事術』です。
転職エージェント「キープレイヤーズ」代表の高野秀敏さんが、1.1万人以上のキャリア相談、4000社以上の採用支援の経験から、ベンチャー流の「結果を出す働き方」をまとめました。“きれいごと”抜きの仕事論に、「結局、すべての仕事で大事なのってコレだよね」と、社員や経営者、ベンチャーや大企業を問わず、共感する人が続出する異例の反響となっています。
この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、「仕事で結果を出す人の思考」についてお伝えします。

頭はいいのに「結果が出ない」「質が上がらない」「評価もされない」人に共通する“致命的な特徴”とは?Photo: Adobe Stock

「大手企業」が攻めてきたら
すべてが終わる

 ベンチャーがスピードを重視する理由があります。
 のんびりやっていたら、あとから参入してくる大手企業にすべてを持っていかれるからです。

 電子決済の技術が登場した2018年頃のこと。
 ベンチャー各社によるアプリが乱立していたなか、すでに大手企業となったソフトバンクが「100億円あげちゃうキャンペーン」とともにPayPayをアピールし、シェアを一気に広げていったのは記憶に新しい話です。

 資本力と認知度で、ベンチャーは大手企業に敵いません。
 大手が参入してくる前に市場で存在感を示すために、スピード感が必要なのです。

ベンチャーにおいて「速さ」は「強さ」

 実際、ベンチャーの最大の強みはその「スピード感」だと言えます。

 大手企業なら課長、部長、役員、社長と、何重もの審査を経て数ヵ月かけて承認されるようなものも、ベンチャーなら社長に直接提案して1日で決裁がおりたりします。経営者もスピードの重要性を理解しているからです。

 楽天の三木谷さんは、「他社の1年を、自社では1ヵ月で」というポリシーを掲げています。これは、なにも無茶なことではなく、それくらいでなくてはベンチャーとしての強みを活かせないということです。

仕事のレベルを上げたいなら、
まずは「スピード」を上げよ

「仕事の質を上げよ」と突然言われても無理ですが、スピードを上げることは工夫や努力次第でできます。

 そして、圧倒的な量をこなせば、その経験によって仕事の質を高めていけます。

 スピードを上げることで、よりレベルの高い仕事ができるようになるのです。

 反対に、いつまでも検討ばかりしていてなかなか着手しないような人は、結果を出せないのはもちろん、仕事の質も上がらず、評価もされません。

(本稿は、書籍『ベンチャーの作法』の内容を一部抜粋・編集して作成した記事です。書籍では他にも「なにがあっても結果を出す人の働き方」を多数紹介しています。)