これらを摂取することはいわゆるドーピングになるので、例えばオリンピックに出るような選手だと大会参加資格がなくなるリスクがあります。

 ステロイドは確かに有効ですが、副作用も強く、医師の処方でのみ使うべき薬物です。

 10代の育ち盛りの学生が、体の大きさが成績に直結するような部活動で活躍したいと思っているような場合に、こっそりインターネットなどで購入してしまうようなことがないよう、周囲の大人が気をつけなくてはなりません。

(3)「精力増強」「性機能強化」

 もともと精力増強を謳った製品の人気は根強く、1990年代後半にシルデナフィル(バイアグラ)が認可されたころから、偽物の医薬品を含め膨大な数の類似物質が作られ、非合法的に流通するようになりました。

 正規の医薬品成分であるシルデナフィルとタダラフィルの構造の一部を変えた物質を作って、規制の網を逃れようとする業者が世界中にいます。錠剤やドリンクなど、さまざまな形で販売されています。

 性機能障害の場合、日本では病院に行けば承認された内服薬が処方され、安全に使えるはずなので、怪しい製品をインターネットなどで購入しないようにしましょう。

 もし以上のようなことを宣伝する製品を使用して健康被害に遭っても、非合法の事業者が謝罪や補償をすることなど期待できません。お金だけでなく命まで失いかねないので、この手のものには絶対に手を出さないでください。

飲むと心臓、肝臓にダメージ
米国研究者が警告する危険成分

 サプリメントについて参考にしてほしい論文の情報をいくつか紹介します。

(1)ビタミン、ミネラル、マルチビタミンサプリメントの有効性

 米国でプライマリケア(編集部注/身近な医師が患者を総合的に診療する医療)と予防医療の有効性を評価する独立した委員会、米国予防医学専門委員会(USPSTF)が、心血管系疾患とがん予防のためのビタミン、ミネラル、マルチビタミンサプリメントの有効性について評価した結果を2022年に発表しています。

 内容は以下のようなものです。